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世界でホームシェアリングと呼ばれている民泊。それを代表する民泊サイトAirbnbでは、物件が掲載されている国は190カ国以上で、その中には日本も含まれています。

2016年は民泊元年とされ、関連する法律や規制の見直しもされつつあります。国内での民泊の波は勢いを増していくでしょう。しかし、トラブルにまつわるニュースが流れているのも事実です。例えば国内でも騒音や部屋の損傷などの事例があります。

そこで今回は、民泊を利用するにあたっての段階ごとに起こるトラブルにまつわる情報をまとめました。

※編集部注

2017年4月29日に加筆修正しました。 

目次

  1. そもそも民泊とは何か 泊まる前のトラブル
  2. 泊まっているときのトラブル
  3. 泊まった後のトラブル
  4. トラブルを避けるための事前準備・リスクヘッジ
  5. まとめ

1.そもそも民泊とは何か

民泊とは、余っている空き家や空き部屋を、旅行などで泊まりたいゲストに貸し出すシステムで、ここ数年で急増しているシェアリングサービスの一種です。

Airbnbはその民泊サービスの先駆け的存在であり、空き部屋を貸したいホストと借りたいゲストをマッチングさせるプラットフォームです。2008年の創立以来、世界191カ国65,000以上の都市でサービスを展開し、サービス利用者は全世界に1億5,000万人以上となりました。

2014年に日本に参入するや否や、その利用者は急増し、2015年に130万人、2016年には300万人を突破しました。その利用者のほとんどは、韓国や中国などのアジア圏からの旅行者であり、家族や親せき、仲間同士で利用するパターンが多いようです。利用者急増の理由には、ホテルより低コストで借りられることやインターネットで簡単に世界中の宿泊スポットを探せること、また宿泊地の多さや種類の豊富さが挙げられます。

例えば、古いイギリスのお城やモンゴルの伝統的なテントのパオなど、普段では泊まれないような物件もあり、よりその街と溶け込んだ気分が味わえると好評です。

しかし、このような急成長の影には、個人間の契約であるためにゲストとホスト間での契約トラブルや近隣住民を巻き込んだトラブルも発生し、深刻な問題となっています。次では、具体的なトラブルの事例を紹介していきます。

2.泊まる前のトラブル

時間

ゲストから連絡無しの大遅刻

Airbnbを始めて間もないホストがアメリカからの青年ゲストを迎えるため、待ち合わせ場所にて彼を待っていた時の話です。

約束の時間になってもゲストの姿は一向に現れません。30分、1時間と過ぎ、やっと会えたその時間は約束から2時間も過ぎていたのです。遅れた理由は乗っていた飛行機の到着が2時間遅れたとのことで、ゲストにはまったく非がないこのケースですが、2時間も待ちぼうけなのは辛いものです。

日本は時間に厳しい社会です。しかし、海外では待ち合わせの時間に対してルーズな感覚をもっている国もあります。

この場合の対策では、ホストはゲストが登場する便の情報を事前にゲットしておき、通常通り運行されているかどうかチェックできるように情報収集をしておけばよかったこと。また、到着した空港でFree wi-fiサービスがあれば、それを伝えておき、到着した際に連絡をしてもらうように段取っておけば、両者共に安心だったかもしれません。

 

異言語の問い合わせの対応苦

Airbnbでのやりとりは英語が中心になるかと思われます。しかし、住んでいる地域の人々によっては、その地域の言葉を使用して問い合わせしてくることがあるのです。特にアジア圏では中国語や韓国語で昼夜問わず質問攻めをしてくるケースも。

応対率を上げたいホストにとっては、厄介なトラブルです。自分で対応しきれない場合は、代行業社やフリーの翻訳家にメールでのやりとりを依頼すると安心でしょう。

業者に依頼するとコストがかかるイメージがありますが、スポット依頼としてリーズナブルな値段で受け付けてくれるサービスを提供している業者もいます。トラブル発生時の時に頼りたい業者や専門家のリストを用意しておくと、早急な対応につながります。

 

道に迷ったゲストから予約をキャンセル

ゲストが部屋までの道がわからなくなり、ホストに電話をかけても全く出てもらえずにそのまま予約キャンセルになってしまうケースが多々あるようです。ゲストが自力で部屋まで来られるようにするには、事前の準備が必要になってきます。

Photoshopなどで地図を作成、PDF化してゲストに提供すれば安心して来ることができるようになります。仮に迷ったとしても、近くを歩いている人に地図を見せれば案内してもらえることも可能です。

 

人種的な理由でゲストを拒んだケース

2017年2月には、アメリカのカリフォルニア州ビッグベアー近郊で「アジア人だから」という理由でホストに宿泊拒否された事例が発生し、物議を醸しました。当初からAirbnbでは、「人種、肌の色、民族、国籍、宗教、性的指向、性別認識、婚姻状況でいかなる差別をしてはならない」という企業ポリシーをもっており、登録するホストにも再々にわたりこの企業ポリシーを遵守するよう訴えています。

それにも関わらず、このような事件が起きたため、Airbnb運営部はこのホストに対し不快感を示し、Airbnbから永久削除しました。このようなことが起こらないためにも、ホストは、最もAirbnbが大切としている「インクルージョンとリスペクト」を重要視し、人種や宗教、国籍などに関係なく受け入れる必要があります。

 

2.泊まっているときのトラブル

■意図的な残像効果により動きを表現しています。 

家電が使えない、壊れてしまった

滞在中のゲストは、部屋に備え付けてある家電を使って生活をします。しかし、どうやって使うのかわからない、または乱暴な取り扱いによって家電そのものが使用不可になってしまうケースがあるのです。そうならないためにも、家電の使い方マニュアルを用意しておくとよいでしょう。

表記は基本的に英語になります。自分で作成するのが大変という人は代行業社に依頼して作成してもらうこともできます。

 

娼婦が滞在する売春施設、AVの撮影所として利用

特に海外で発生しているトラブルとして、民泊で借りた部屋で風俗行為が行われてしまうことがあります。

ストックホルムのアパートに住んでいた2人の女性が、1ヶ月間の旅行中にAirbnbを利用して部屋を貸しました。1ヶ月後、自宅に戻ってきた際に、警察からの通達を受けました。なんと、2人の売春婦を逮捕したとのことでした。また似たような事件がサンフランシスコでもありました。豪邸を貸し出したホストは部屋でAVの撮影が行われてしまい、汚物の散乱などの被害を被ったトラブルがありました。

このように、公では行うことができない問題行為を民泊施設を利用して為してしまうゲストもいるのです。

1ヶ月間という長い期間、ホストの手の届かない状態でゲストに貸し出すということはゲストを無法地帯に置かせることとなるでしょう。ホストの存在が近くにないことをゲストに悟られず、またゲストのプロフィールの確認や入念なやりとりを通じて、受け入れるかどうかを見極めることが大事です。

 

騒音などの迷惑行為による近隣住民とのトラブル

身近でたびたびあるこのトラブルですが、Airbnbで起こった事例として中国人ゲストが夜に宴会を開き、その賑わい具合に対して周辺の住民が苦情を出して大きなトラブルに発展することがありました。海外でもこの事例は多くあり、ゲストのモラルが問われています。

夜間の過ごし方について、ハウスルールとしてゲストにしっかりと認識してもらえるよう、事前の確認が必要です。

 

3.泊まった後のトラブル

Orange Flag on the street, Amsterdam. Holland.

部屋がゴミだらけ

ゲストがチェックアウトした後に、清掃に入ると、ゴミが散らかっていることがよくあります。特に、中国人ゲストの「爆買い」による大量の空き箱などの放置も目立ちます。他にも壊れたスーツケースを置いていったゲストもいるようです。また、分別せずに捨てていたことで管理会社からクレームがあった事例もあります。

日本ではゴミの処理にお金がかかることを知らないゲストが多いと思われるので、ハウスルールとして事前に知らせるようにしておきましょう。ゴミ袋を用意し、どの種類のゴミが捨てられるのか、分別の仕方も知らせておくとなお良いでしょう。

 

鍵が返却されていない

ゲストからホストに直接鍵を返却してもらわない場合は鍵の紛失のトラブルが多発します。挙げられる原因はいくつかあります。

  • 鍵を持って帰ってしまった
  • 滞在中に紛失してしまった
  • 返却先を間違えてしまった(別の部屋のポストなど)

など、様々な理由でホストの元に鍵が戻ってこないことがあるようです。

チェックアウト後に鍵がない状態では、次のゲストの受け入れに支障が生じます。鍵は一本だけ用意するのではなく、二本以上用意しておくのが安全でしょう。

 

盗難事件

悲惨な事例として挙げられるのは、サンフランシスコで起こった盗難事件です。ホストが1週間ほど貸していた部屋に戻ってみると、クローゼットに穴が空いており、パスポート、現金、クレジットカード、ジュエリー、カメラ、iPod、ノートパソコン、外付けハードディスクなど貴重品類が奪われていたのです。また、バスルームやキッチンも見るに堪えないほど荒らされていたとのことです。

貴重品が保管されている部屋をゲストに貸し出すのはとてもリスクが伴うことです。仮にゲストが盗難をしていなくても、ホストの所有物が紛失しているとなった時にはゲストとのトラブルは免れないでしょう。

ゲストが滞在する間は、貴重品を自分の手元に保管できるようにするか、信頼できる親族などに預けておくなど、保管する場所を考える必要があります。

 

4.トラブルを避けるための事前準備・リスクヘッジ

オススメ!やっておくとよい事前準備とリスクヘッジ

Airbnbにおける様々なトラブルやリスクはこれだけではありません。全てに対して対策、対応することはとても難しいことでしょう。しかし、事前の準備やリスクヘッジで起こりうるトラブルをいくつかを防ぐことができます。以下におすすめを挙げてみました。

連絡、確認を怠らない

ゲストからの問い合わせには即時に答えられる体制でいるのがベストです。また、チェックインが近くなったら、待ち合わせの時間や宿泊人数まで、再度確認することでトラブルを減らすことができます。時差がある国のゲストに関して、自分で対応することが難しければ代行業者に頼んだり、ゲストに予め連絡のタイムラグの発生が生じることを伝えておくといいかもしれません。

ハウスルール、マニュアルを用意する

日本で当たり前のことが、外国人の常識にあてはまるとは限りません。滞在中のルールや家電や道具の使い方などをまとめた冊子を用意しておくといいでしょう。可能であれば、ホストあるいは代行業社がその冊子と共に部屋の使い方を説明できるとよりゲストに伝わります。

Airbnbの保証金制度を利用する

万が一トラブルが起こってしまった場合は、Airbnbを仲介に保証金を受けとることもできます。器物の損傷や部屋の状態が悪化しているなど、ゲストが滞在して発生した損害に対して請求することが可能です。しかし、「ゲストがチェックアウトしてから14日以内か、次のゲストのチェックインの前か、いずれか早い方の日までにリクエストしなければならない」という制限がありますので、早急な確認が求められます。

トラブルに見舞われた時の対応

また、公式サイトでは以下のような問題にも対応しています。

①ホストの身元を信頼するID認証や透明性の高いレビュー

ホスト登録の際には、政府発行の身分証明書をスキャンとFacebookなどの外部アカウントと連携による二重の身元保証、そして利用者からの率直なレビューにより、ホストへの信頼性を高めています。

➁ゲストからのホストと連絡が取れない場合の対応

Airbnbではホストに数時間でゲストへ返答するよう指示しています。しかし、もしホストに連絡がとれない場合、「旅程表を見る」に表記されたホストのメールや電話番号から直接連絡がとれる他、356日24時間体制のサポートデスクに連絡できるようになっています。

③施設に破損が生じた場合、最高1億円までホストに補償

ゲストに家や部屋を預けている間、家財や建物に何らかの破損が生じた場合、Airbnbは最高で1億円までの補償を付けています。現金や有価証券、コレクション品、シェア又は共用エリア、ペット、対人は補償対象外となるので、注意したいところです。

④ホスト側の理由でキャンセルする場合でのゲストへの返金対応

一度了承した予約を、ホスト側の事情でやむ負えなくキャンセルしなければならなくなった場合、キャンセルポリシーに書かれた同等の金額がホストから返金されるようになっています。ただし、Airbnbのサービス料は返金されません。

⑤Airbnbの補償が適用されない対物・対人補償をする民泊専用の保険も登場

Airbnbでは対人やシェアスペース、貴重品の破損は補償対象外となっています。その補償をカバーするために、民泊専用の保険も発売されました。ホストが所有する設備以外にも、オーナーやゲスト、近隣への損害賠償補償までついています。

 

5.まとめ

このようにAirbnbの利用において、それぞれの段階でトラブルやリスクはついてくるものです。ゲストのモラルから発生するものもあれば、ホストが対策をしておけば起こることのなかったものまであります。

これからAirbnb以外にも様々な民泊サービスが生まれてくるでしょう。今後を考慮すると、双方にとって快適で安全なシェアを行うために、トラブルにまつわる情報を集めて、自分なりの対策を準備しておくのがよいかもしれません。

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