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メルカリがついにサイクルシェアサービスへの参入を開始しました。メルカリが提供するメルチャリは、利用者と一緒につくりあげていく「地域参加型」のサービスが特徴です。個人宅をポートにしたり、放置自転車対策をユーザーと一緒に行ったりなど、他社にはない仕組みで差別化を図り、今後のエリア拡大を目指しています。

シェアサイクル市場が拡大し、大手の参入が相次ぐ中、メルチャリの独自の「テクノロジーと人をつなぎ地域コミュニティと共創していく」という新たな取り組みがどこまで存在感を示せるのか、今後の展開に注目です。

目次

  1. メルカリの始動するメルチャリとは
    サービス概要について
    福岡県内のホテルとの連携
  2.  国内でひろがるシェアサイクル
    他業種との連携について
    議員連盟とのイベント開催
  3.  まとめ

1.メルカリの始動するメルチャリとは

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https://merchari.bike/

サービス概要について

メルチャリは、フリーマーケットアプリで有名な株式会社メルカリのグループ企業である株式会社ソウゾウが運営するシェアサイクルサービスです。

ユーザーが駐輪スペースの提供や放置自転車の再配置を行うなど、個人と地域が参加して運営する新しいスタイルで注目を集めており、サービスの展開地域は順次拡大の予定となっています。展開の第一弾は福岡スマートシェアサイクル実証実験事業で、福岡市の採択事業として2018年6月22日よりスタートしました。

福岡市での実証実験について

期間:2018年6月22日から2020年3月31日

実施エリア:博多、天神、ウォーターフロントから2km圏内の公共施設

 

このサービスにおける自転車のレンタルから返却まではとても簡単で、App Storeから専用のスマートフォンアプリ(現在はiOS版のみ)をダウンロードすれば、そのアプリを通して全て行うことができます。

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https://merchari.bike/

利用の流れ

  1. アプリを起動して、利用したいポート(駐輪場)を確認
  2. 見つけた自転車の鍵の部分にあるQRコードをアプリで読み込み、鍵を開ける
  3. 目的地まで自転車に乗って楽しむ
  4. 専用ポートに着いたら、鍵をかけて返却完了

 

利便性に大きく関係するポート(駐輪場)数ですが、メルチャリでは、民間企業だけでなく個人の住宅や店舗の軒先など、地域の人々から提供された大小さまざまな空きスペースを活用します。そのため快適なサービス環境が速やかに整うものと期待できます。加えて今回の実験では、新たに公共施設への駐輪ポート設置も可能となり、2018年6月末にはポート数が約90になる見込みです。

2018年6月18日、東京から沖縄まで12のホテル・旅館を運営するJR九州ホテルズ株式会社が、JR九州ホテル ブラッサム博多中央においてメルチャリとの連携を開始すると発表しました。

博多駅やキャナルシティ、櫛田神社など、福岡市の有名観光地・名所にほど近い場所にあるこのホテルは、敷地内にポートを設置することで、利便性向上による国内外の宿泊客の増加と回遊性の向上を図り、シェアリングエコノミーによる資源の有効活用推進と、地域への貢献を目指しています。

また福岡市は、野球やコンサートなどのイベント開催時には公共交通機関が逼迫しやすいという課題を抱えているため、シェアサイクルサービスが公共交通の補完手段となりうるか、といった側面からの効果の検証も狙っています。

 

2.国内でひろがるシェアサイクル

他業種との連携について

シェアリングエコノミー市場が急拡大している中、シェアサイクルと他業種との提携が目立っています。国内での先行大手としては、セブンイレブン × ドコモ・バイクシェアスマートシェアリングAPAMANグループ × OpenStreetLINE × Mobike京都の地元企業 × PiPPA(ピッパ)エイチ・アイ・エス × COGICOGI(コギコギ)和歌山市・大津市などの地方自治体 × ofoなどを挙げることができます。

ここに今回、福岡市と提携したメルチャリが加わったわけですが、新たにイトーヨーカ堂もシナネンサイクル・OpenStreet とシェアサイクルで協業し、全国へ展開を開始すると表明しました。

総合スーパーで初めてとなるこの協業において、イトーヨーカ堂は敷地内に電動アシスト自転車を利用・返却できるステーション(駐輪場)を提供し、シナネンサイクルは自転車の管理及び運営を、OpenStreet はシェアサイクルプラットフォームHELLO CYCLINGのシステム提供を行います。

サービスはイトーヨーカドー浦和店からスタートし、2020年度末までに30店500台規模での全国展開を目指す予定とのことです。

DMM.comのように、シェアサイクルへの参入を表明するも、放置自転車による公害問題の懸念を払拭しきれず、参入を断念した例がある一方で、現在もシェアサイクル導入の動きは官民を問わず全国的に広がりを見せています。

地方や観光地での旅行客に向けた新しい観光資源、利便性向上による新規顧客の獲得ツール、都市部での公共交通の補完手段として、今後も多様な業務提携と展開が予想されます。

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議員連盟とのイベント開催

2018年6月25日、国会議事堂及び皇居周辺において、自転車活用推進議員連盟主催のイベント「青空総会」が開催されました。

6月8日に自転車活用推進計画が閣議決定されたことを受け、自転車関連企業によるブースへの出展、超党派議員らによる皇居一周サイクリングが行われるなど、自転車活用推進法案の本格始動をアピールする催しとなりました。

式典では、自転車活用推進議員連盟の会長代行である河村建夫衆議院議員、自転車活用推進本部長の石井啓一国土交通大臣、清水勇人さいたま市長、元F1ドライバーの片山右京氏など、多彩な顔ぶれが一堂に会し、自転車の有用性や普及への取り組み、今後の展望などについて語っています。

ブースに出展したのは、ドコモ・バイクシェア、HELLO CYCLING、ofo、メルチャリなど20社・団体。国会や自治体関係者に珍しい試乗車を体験してもらったり、自らのサービスやプロダクトをアピールしたりする絶好の機会となりました。

 

3.まとめ

アプリ1つで自転車のレンタルから返却までが可能となったシェアサイクル。利便性だけでなく、地域の課題の解決プラス新規顧客の獲得といった、地域や運営者、提携者それぞれが得るメリットの大きさも魅力と言えるでしょう。特に本記事で紹介したメルチャリは、自治体や企業に限らず、個人も登録することで空きスペースの有効活用ができる「地域参加型」という特長を持っており、経済やまちづくりなど、地域の活性化に広く貢献することが期待されます。

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