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世界中で拡大されているライドシェアの国内市場を率いる株式会社notteco。そんなnottecoの代表を務めていられる東様にライドシェアサービスの現状と未来を伺いました。ロングインタビュー前半記事です。

text / シェアリングエコノミーラボ副編集長 成田颯馬

目次

1.プロフィール

2.nottecoとは

  • サービス内容
  • 設立背景
  • サービスの現状

3.ライドシェアに関して

  • nottecoが語るライドシェアの威力

4.nottecoのビジョン

  • 今後の具体的な施策
  • 海外事例を日本に適応
  • 将来は交通インフラへ

1.プロフィール

株式会社notteco代表 東祐太朗氏

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2.nottecoとは

サービス内容

成田:nottecoとはどのようなサービスでしょうか。

東氏(以下敬称略):nottecoというのは、自動車移動のときに相乗り相手を探すオンラインライドシェアサービスです。

乗せる側としては、高速代やガソリン代などのコストを軽減できる、移動中の話相手ができるなどのメリットがあります。例えば、名古屋に単身赴任している方が週末車で家族がいる東京へ帰る場合、1人で運転していると眠くなる危険性がありますし、コストもかさんでしまいます。nottecoなら後ろの空席に誰かを乗せることで、どちらの問題もクリアできます。

乗る側としては、安く移動でき、夜行バスよりも自由が利くのがメリットです。夜行バスだと50人が乗る狭苦しい環境ですが、nottecoなら乗用車で、サービスエリアも寄りたいときに寄れるし、早く着きたければパスしてもいい。融通が利く移動手段として使われています。

 

設立背景

成田:サービスの設立背景を教えてください。

東:去年9月に、企業買収をしました。元の創業者は、ドイツで似たようなライドシェアのサービスを体験し「日本でも同じようなモデルが成り立つのではないか」と考え、サービスを立ち上げました。初めは相乗り相手を見つけるだけなので特別なシステムは必要なく、mixiのコミュニティからはじまりました。

 

サービスの現状

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成田:現在のユーザー数や属性を教えてください。

東:会員数は2万4000人です。国内市場では間違いなく先発者ですし、規模は1番大きいですね。

ユーザーは車に乗る側と乗せる側がありますが、前者は20代の方が多いです。例えば就活生の遠方での面接やミュージシャンの地方ライブ観戦のために使われていますね。後者は30代~40代の単身赴任の方が1番多いです。男女比で言うと、ほぼ男性ですね。

ニーズ自体は男女同じくらいあると思うのですが、知らない人の車に乗るというリスクがあるので女性ユーザーがどうしても少なくなってしまいます。

ユーザーが安心できるようシステムを整備して、最終的は男女半々くらいになることを目指しています。

3.nottecoが語るライドシェアの威力

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成田:そんなnottecoを展開されている御社が考える、ライドシェアの価値や魅力、すごさは何でしょうか。

東:ライドシェアでしか提供できない価値は大きく3点あります。1つ目が安さ、2つ目がBtoCで提供できなかった小規模マーケットへの対応、3つ目が人とのつながりです。

安さという点では、高速料金自体を下げることは基本的に不可能ですが、nottecoを使えば実質的には安くできます。また、余っていた後部座席をシェアするという考え方なので、既存の移動手段よりも全体的に割安です。

2つ目の小さいマーケットへの対応で言うと、既存の夜行バスや高速バスは、採算が取れない路線は運行されません。しかし、nottecoなら需要が少ないニッチな場所であっても、車で行きたい人同士マッチングできます。ロングテールを拾っていけるのは、CtoCならではでしょう。

そしてもっとも強調したい付加価値が、人のつながりです。同乗しているときのコミュニケーションが楽しいんです(笑)

夜行バスは黙って乗っているだけで孤立しているものですが、nottecoの利用中にはコミュニケーションが生まれます。ユーザーの中にも「サービスの使用後も飲み会やオフ会に誘い合っている」という人がちらほらいらっしゃいます。僕自身も、大阪の方の車に乗せてもらった時は、現地の人しか知らない観光スポットを教えてもらいました。このような人とのつながりが生まれるのは、今までのBtoCではなかったことです。

成田:既存のサービスでは絶対に提供できなかった価値ですね。

東:ライドシェアやCtoCのサービスの醍醐味を感じますね。さらに乗せる側も乗る側も、密なつながりができると安心してリピートしてくれます。良い循環が生まれていますね。

 

4.nottecoのビジョン

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今後の具体的な施策

成田:nottecoの今後の展開を教えてください。

東:ユーザー数を増やすことと、安全面の強化が当面の重要課題です。

nottecoの場合、ユーザーの使用頻度を増やす施策は難しいので、対応地域を広げてユーザーを底上げしていかなければなりません。まずは交通量が多い東名阪エリアに注力し、nottecoが盛り上がってる状態を作りたいです。それをまた別の地域に展開しながら、知名度を上げていこうと思っています。「年間利用者数72万人」が当面の目標です。

安心安全面の強化については、ユーザー情報を他のSNSやCtoCサービスと共有していくことで信頼度を高めていければと考えています。

例えばAirbnbで数100人ゲストを迎えている人が運転する車だったら少し安心できるかもしれないし、Facebookの友だちの数の多さや共通の友だちの有無で信頼感が高まるかもしれません。

 

海外事例を日本に適応

東:事業の展開では、海外サービスの日本への応用を考えています。

今は、サンフランシスコで盛り上がっている「Chariot」という通勤系サービスに注目しています。スマホでバスを予約できるサービスで、料金は普通のバスより少し高いのですが、決められた乗車ポイントがあって、チケットが購入できれば指定席で乗車できます。細かく路線が配置されていて人気がでているようです。さらにLyftも「Lyft Carpool」という、通勤の方向が同じ人を乗せていけるのようなサービスを展開しています。

成田:通勤の問題は日本にもありますし、特に東京などでは短距離の通勤系サービスはニーズがありそうですね。

東:もう1つ注目しているのが配送系サービスです。Uberのサービスの1つに、Uberがレストランから食べものを運ぶ「UberEATS」というものがあります。

今トレンドはタクシーの配車サービスから、通勤や配送など決まった目的での移動に特化したサービスへと変化してきています。こうしたジャンルでは日本でも参入していきたいですね。

 

将来は交通インフラへ

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成田:最後にnottecoというサービスによって世の中にどのような影響を与えたいか教えてください。

東:nottecoは”快適に、安く”移動したい時に最高のツールですが、それだけが魅力ではありません。移動時間をシェアすることで人間関係が生まれるという部分にこそ、本質的な価値があると思っています。

現代社会ではツールがどんどん便利になって人と人が会話する機会を奪っています。例えば、Googleマップがあるので、街で人に道を聞く必要がなくなりました。シェアリングエコノミーはサービスの本質が人と関わることを前提にしているので、そこで出会いが生まれるというのはすばらしいことです。これこそ移動を超えた価値だと思います。

これをみなさんに体験してほしいと思って、運営しています。そして広く浸透していき、ゆくゆくは普通の移動手段になって、交通インフラとして認識されるようになりたいですね。

次回のインタビュー後半記事では、今回のサービスの現状からさらに視野を広げて、ライドシェア市場及びシェアリングエコノミー市場についての考察をお伝えします。

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