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Lyftは、アメリカの超車社会において自動車所有率は世界一であるのに、実際に自動車が使われている時間は少ないという非効率な現状と、タクシーの使い勝手が悪いという問題を併せて改善しようという発想から生まれたライドシェアの旗手です。

2015年には楽天が3億ドルを出資したことから、Lyftがいずれは日本に上陸するだろうと見られています。Lyftは、ライドシェアサービスの最王手Uberのライバルでもあります。すでに日本上陸を果たしたものの問題も抱えるUberに対して、日本でのLyftの現状と今後についてまとめました。

目次

1.Lyftとは?

2.日本では「白タク行為」

3.最大のライバル「Uber」を倒せるか?

4.まとめ

1.Lyftとは?

楽天による巨額の出資を受けたライドシェアサービスが上陸か

lyft

ライドシェアと呼ばれる自動車の配車・相乗りサービス業界は、世界的に競争が激化しています。先駆者Uberに猛追をかけているのが、サンフランシスコで2012年に創業したLyftです。Lyftのサービスは、乗客がスマホアプリで配車リクエストをし、自分の行き先を入力すると、近くにいるLyft登録の一般ドライバーが駆けつけるユーザーマッチングと呼ばれるもの。

アメリカの200以上の都市でこのサービスを展開しています。近くに空車があるか、待ち時間はどのくらいかをスマホで確認できるため、タクシーの質が悪いといわれるアメリカで、Lyftの利便性が評価され、定着しているようです。

2016年には、ゼネラルモーターズ(GM から5億ドルの出資があり、GMの車両をLyftのドライバーに無料または格安で貸し出すサービス「Express Drive Program」 も開始して、両社の提携は大きな話題になっています。

2015年、Lyftの第5回目にあたる第三者割当増資では、楽天が筆頭引受先となり、3億ドルの出資をしました。シェアリングエコノミーの市場の成長性を大きく評価しての巨額出資です。

日本国内では、楽天の三木谷社長が代表理事をしている新経済連盟が、シェアリングエコノミーについての具体案を発表し、政府に新しい法的措置を求める働きかけをしています。具体案によると、ライドシェアだけで推計3.8兆円の波及的経済効果があると算出されていて、日本でも大きな経済効果と業界の変化が期待されていることがわかります。

 

2.日本では違法の「白タク行為」

日本法律による壁。安全性によっては規制緩和も

Blurred street llumination and night lights of New York City

Lyftの提供する一般ドライバーの配車・相乗りをマッチングするサービスは、現在の日本では「白タク行為」であり、違法とされています。

実際に福岡でUberが「みんなのUber としてライドシェアを実験プロジェクトとして行った際に、国土交通省はUberがデータ提供料を一般ドライバーに支払ったので、道路運送法に触れる可能性が高いとして行政指導に及んだ模様です。

Lyftの場合は、料金を寄付金として扱うという形をとっているようですが、金銭の授受がある時点で現状では同様の判断になりそうです。現行の法規制が乗客の安全を守るためのものならば、ドライバーのレーティングシステムの導入、犯罪・交通法違反の履歴照会、ライドシェア事業者による運行時間の管理や、運行中の事故はライドシェア事業者が保障する、など新経済連盟の具体案にあるような安全対策を導入することで規制緩和が検討されるかもしれません。

しかしもし法規制が緩和され、業界が市場原理の下に置かれれば、タクシードライバーの雇用確保はライドシェアサービスが受け皿になれますが、タクシー事業者や協会は既得権益を守れないかもしれません。

ここに、業界と規制権限を握っておきたい官僚組織の姿が見え隠れします。2015年国家戦略特区諮問会議で、安倍政権はシェアリングエコノミーを活用していく方針を打ちたて、ライドシェアについては「過疎地などで観光客の交通手段として、自家用自動車の活用を拡大する」と発表したので、どのような形であれ国家戦略特区での規制改革は推し進められていくはずです。

 

3.最大のライバル「Uber」を倒せるか?

ライドシェアの先駆者である2社の関係性

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Lyftは2016年初めに10億ドルを調達し、時価総額55億ドルになったと報じられています。さらに2015年のグロス売上(運転手の取り分を含む)は約8億ドルと発表しています。一方ライバルのUberは、2015年終わりの時点で21億ドルを調達し、時価総額評価額625億ドル。2015年上半期のグロス売上高(運転手の取り分を含む)はおよそ20億ドルだった模様です。

Lyftは創業から3年で現在の時価総額になったとされ、成長率はUberを超えているとも言われているのですが、現状ではUberの規模の大きさは桁違い、と言わざるを得ません。ドライバーの働き方は、両社に登録をしていて、呼ばれればどちらにも対応しているというドライバーが多いようです。そうすることで待ち時間が減り、効率よく働けるとのこと。

Uberは、圧倒的にドライバー数は多いものの、金銭面や待遇面でドライバーへの対応が悪いと言われることが多く、実際にいやな思いをしたことから、Lyftに乗り換えたドライバーもいるようです。LyftのCEOグリーン氏は、ドライバーの待遇をよくすることで、乗客へのサービスも向上すると考えているとインタビューで語っており、実際に金銭面でドライバーを支援する取り組みが多くあります。また現時点でUberでは明らかなチップ制度はなく、LyftはチップをLyftのアプリから支払うことができます。

乗客視点の報告では、アプリ動作などは両社ともに不満はないようです。ただ両社のブランディングとして、Uberは高級、Lyftはフレンドリーを掲げているので、そこからくるドライバーの対応の違いを乗客は感じることが多いようです。Uberはドライバーにミネラルウォーターを用意することを推奨していますが、Lyftは乗客に助手席に乗ることを推奨しています。そのほかではUberはプロタクシーも依頼できますが、Lyftにはそのサービスはなく、すべて一般のドライバーが運転しています。

 

4.まとめ

日本やアメリカなど先進国では自動車の過剰供給が起きており、駐車場の確保や交通渋滞など弊害が生じています。それら自動車の多くは1日で使われている時間はごくわずかであることから、個人の遊休資産を有効に使おうというシェアリングエコノミーが車社会でも活発化しています。

今後日本でのLyftは、先駆者Uberとともにライドシェアを盛り上げていくのでしょうか。世界的にはライドシェア業界は自動車業界とも連携しはじめているので、一層ダイナミックな動きになっていくことが予測されます。一方日本は、アメリカと異なるタクシー事情を抱えており、どのように規制緩和が行われるか、それに対してのタクシー業界の反応は?と、今後の進展にますます注目が集まりそうです。

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