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近年、シェアリングの概念が浸透してきているとはいえ、お金にまつわるシェアリングサービスとは何か?寄付とどう違うのか?そんな疑問を持つ方もいるかもしれません。単なる資金調達法から変化し始めたクラウドファンディングについて、市場規模や代表的なプラットフォームなど、ビジネスに役立つ情報をご紹介します。アイデアや情熱はあるのに資金が足りないという方や投資を検討している方は、ぜひ自分に合ったファンドを探す参考にしてください。

目次

  1. お金にまつわるシェアリングサービスとは
    ・市場規模について
    ・具体的なサービス内容について
  2. 代表的なお金のシェアリングサービス6選
    ・SBI ソーシャルレンディング

    ・maneo
    ・CAMPFIRE
    ・Makuake
    ・READYFOR
    ・MotionGallery
  3. まとめ

1.お金にまつわるシェアリングサービスとは

市場規模について

民泊やライドシェアをきっかけに広がりを見せる日本のシェアリングエコノミー。近年ではこの他にも、多種多様な産業や商品にシェアリングサービスが浸透してきています。クラウドファンディングなどのお金にまつわるシェアも例外ではなく、矢野経済研究所が2017年に国内のクラウドファンディング市場を調査したところ、2013年度では約125億円だった新規プロジェクト支援額が、2016年度にはほぼ6倍の約746億円に達しています。そして2017年度は約1,090億円(前年度比46.2%増)になると見込んでおり、ますます市場規模が拡大する見通しです。

一方で2018年7月に内閣府が発表した「シェアリング・エコノミー等新分野の経済活動の計測に関する調査研究」では、シェアリングエコノミー全体の市場規模は4,700億〜5,250億円、このうち「お金」にまつわるシェアが150億〜200億円でした。

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具体的なサービス内容について

前述のように、今後もますます支援額(市場)の拡大が予測されるクラウドファンディングには、主に5種類の型があります。

株式型

不特定多数の人々と少額の株式を売買することで資金調達をする方法です。資金調達側にとってはノーリスク・ハイリターンとなるこの型は、時代のニーズにマッチしたサービスや商品を開発・展開しようとするベンチャー企業が多く活用しています。

貸付型(ソーシャルレンディング)

「融資型」とも呼ばれ、果たしたい目的を持つ企業・個人に対して投資家が資金を貸し付けるクラウドファンディングです。資金調達側は小口の資金を集めることで大口にすることができ、投資家側は投資元本に加え、利息を受け取ることができるメリットがあります。

ファンド投資型

クラウドファンディングを通して匿名の投資家がプロジェクトや事業に投資するもの。投資家は特典となるサービスや商品の提供・資金調達によって実現した売上の一部を受け取ることができます。

購入型(支援者に対し物品などを提供)

起案者がクラウドファンディングを通じて資金調達をして事業が実現したとき、その成果である商品やサービスを支援者に提供するものです。いわば、商品やサービスを事前購入してもらう形での資金調達法になります。

寄付型(支援者への見返りがないのが一般的)

通常の寄付と同様ですが、インターネットを通じて広く寄付を募るものはクラウドファンディングとして扱われます。これはあくまでも非投資の「寄付」であり、見返りのない場合がほとんどです。

以上のようにさまざまな型が生まれ、今やクラウドファンディングは単なる資金調達の場ではなくなってきています。今後の事業拡大にとどまらず、商品やサービスのテストマーケティング、広告宣伝・販売促進としての活用などで効果を発揮し始めました。また多くの支援者を集めることで、市場性があると判断した金融機関がプロジェクトに融資するなど、クラウドファンディング市場と金融機関の連携強化も進みつつあります。

 

2.代表的なお金のシェアリングサービス6選

SBI ソーシャルレンディング

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https://www.sbi-sociallending.jp/

ソーシャルレンディング型のSBIグループ100%子会社。2008年に設立された同社はSBIグループ5つの経営理念のもと、顧客価値の最大化が経営上の最大の課題であると捉え、顧客中心主義の実現が運営方針です。

1万円からの投資が可能、予定年利は3.2~10.0%、利益は毎月分配されることが特徴で、2018年8月には、ソーシャルレンディング事業での融資残高(運用中ファンドの貸付金残高の合計金額)が250億円を突破、投資家登録完了数が約22,800人に達しています。また、デフォルトした貸付元本(累計)は0円という長年の実績から投資家の信頼も厚く、ファンドの募集はすぐに募集額が埋まる場合もあります。

maneo

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https://www.maneo.jp/apl/structure

熱い思いを持つ事業者が資金調達できる環境を用意すること、それを支える投資家が安心して投資ができるインフラを提供すること、結果として日本経済を力強く支えるインフラになることをビジョンとして活動している、2007年設立の業界最大手のソーシャルレンディング型企業です。少額かつ短期の資産運用や分散投資が可能なこと、成約手数料・事務手数料等0円が、主なメリットとなっています。

しかし同社は2018年7月、金融庁から業務改善命令を受けました。ファンド運営業者による多額の不正流用を見過ごしていたことが原因です。不正流用された金額は少なくとも10億円以上とされており、資金の管理実態や使途の把握義務を負うmaneoの体制整備が、急激な市場の拡大に追いついていないという実態を浮き彫りにした出来事となりました。

CAMPFIRE

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https://camp-fire.jp/

資金集めを民主化し、世界中の誰しもが声をあげられる世の中をつくることをミッションに掲げ活動している、購入型クラウドファンディング企業です。同社はこれまでに16,000件以上のプロジェクトを掲載しており、プロジェクトに対する支援者数はのべ74万人、流通総額が77億円に達しています。

銀行や地方自治体との提携にも積極的で、大分県別府市では「湯〜園地」という資金調達プロジェクトを成功させました。このプロジェクトでは、クラウドファンディングで約3400万円、寄付・支援で約9000万円を調達し、経済効果1億8000万円という結果を叩き出しています。

購入型クラウドファンディングサイトの中でも、音楽やアートといったクリエイティブ系を中心にさまざまなプロジェクトが掲載されており、資金調達の場を提供するだけでなく、プロジェクトをサポートするような体制も整ったサイトです。

Makuake

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https://www.makuake.com/

株式会社サイバーエージェントが2013年に設立。国内のクラウドファンディングとしては、かなりの後発サービスでありながらも、飲食店やファッション・新製品の開発など、さまざまなジャンルのプロジェクトがあり、国内資金調達金額No.1、1,000万円以上のプロジェクト50件以上を掲載しているサイトです。

エンドロールに名前が入るリターンが好評で、3,900万円以上の資金を集めた大ヒットアニメの「この世界の片隅に」や、液晶メーカーと酒造メーカーを結んで、氷点下で飲んでも美味しいお酒を共同開発するプロジェクトなど、同社を通して生まれたヒット作品はたくさんあります。

また、地方から新製品が生まれるケースやリピートが増えており、新製品や開発品のテストマーケティングに活用する企業も多いようです。「世界をつなぎ、アタラシイを創る」というビジョンのもと、最終的には地方創生・日本創生を目指して運用されています。

READYFOR

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https://readyfor.jp/

国内初の購入型クラウドファンディングサイト。「誰もがやりたいことを実現できる世の中をつくる」をミッションとする、2011年3月の設立から8,700件以上のプロジェクトを掲載、67億円以上の資金を集める国内最大級のクラウドファンディングサービスです。中学生から80代まで、幅広い世代の夢をサポートするべく、社会貢献系のプロジェクトを中心にさまざまなプロジェクトを展開しています。

同社は2018年9月に、アメリカン・エキスプレス・インターナショナル・インコーポレイテッド株式会社ジェーシービーの2社と連携し、全国の地元のお店を応援し、地域コミュニティの活性化を後押しする取組みも開始しました。

また、2016年6月にはサービス産業生産性協議会が主催する第1回日本サービス大賞優秀賞を受賞するなど、地域や人に貢献する企業として活発に活動しています。

MotionGallery

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https://motion-gallery.net/

2011年7月にサービスを開始した、映画制作を中心とした購入型クラウドファンディングサイト。みんなの共感をパワーに、社会に新しい体験・価値観をもたらす創造的なプロジェクトを実現するクラウドファンディング・プラットフォームであることを理念としています。「クリエイティブな社会をつくる」という明確なビジョンのもと、スタートから5年で約630を超えるプロジェクト、支援者数は約3.5万人、応援資金は総額で約4.1億円に達しています。

映画やアートを中心にソーシャルグッドな活動まで、さまざまなクリエイティブ活動をスタートさせる新しい形として活用されており、同サイトをきっかけに世界の映画祭へも作品が送り出されています。

 

3.まとめ

資金調達の新たな形態として始まったお金のシェアリングエコノミー「クラウドファンディング」。近年では、特定の志や目的を持った個人や団体の資金調達の場にとどまらず、新たなアイデアや製品のPR、テストマーケティング、地方創生や社会貢献を促す場として活用され始めています。市場規模の拡大と共に共感と善意を共有する人々がつながり、お金は何かを生み出すために使うものだという価値観が広がれば、新たなビジネスへのハードルが下がって多くのチャンスが生まれるかもしれません。

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