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モノ・スペースなどの資財を人々の間でシェアしていくシェアリングエコノミー。民泊は、その中でひとつの柱とも言えます。この民泊ブームの火付け役であり、世界的な知名度を博しているのが民泊マッチングの「Airbnb」です。

現在世界191カ国にまでサービスを拡大しているAirbnbが、ついに日本の海外旅行情報サービスと提携を結びました。この業務提携を追い風に、国内の民泊ビジネスも活気を帯びてくることが予想されます。

 

※2017年2月10日に、一部内容を修正しました。

目次

  1. 海外旅行比較サイトとの提携で民泊の裾野が拡大
  2. まとめ

旅行比較サイトとの提携で民泊の裾野が拡大

「トラベルコ」「Travel.jp」とのサービス連携

世界各国でシェアを広げている民泊マッチングサービスのAirbnbが、日本の旅行比較サービス「トラベルコ(旧サービス名:トラベルコちゃん)」「Travel.jp」と2016年12月19日に業務提携したことを発表しました。

「トラベルコ」は株式会社オープンドアが運営する旅行の比較サイトで、1997年にオープン、現在は350以上の予約サイトの情報を掲載しています。

海外の大手ホテル予約サイト、国内の旅行会社、そして今回の提携によりAirbnbに至るまで様々なサイトの海外ホテル宿泊プランを一括検索・比較することができます。都市・宿泊日・人数などからの指定検索をはじめ、ホテルのランクや提携サイトのレビュー・予算など詳細な条件での絞り込み、料金が安い順・ホテルの人気順などによる並べ替えも可能で、手軽に最安値プランを探すことができるようになっています。

「Travel.jp」は、ベンチャーリパブリック社が運営する国内最大級の旅行情報サイト。大手旅行会社を含む200社、100万件を超える航空券や国内外のパッケージツアーを検索することができるサイトです。国内外の宿泊施設についても横断検索が可能で、海外であれば約100万軒ものホテルや宿の情報を閲覧・予約することができます。

Airbnbには海外の一戸建てや集合住宅、別荘からお城・ツリーハウスまで、ユニークな宿泊施設が登録されています。現在リスティングされている部屋は、実に300万超(2016年12月時点)。今回の2社との業務提携は、Airbnb側に日本のより多くのユーザーに多彩な旅行情報を提供できるメリットをもたらします。

国内も秒読み体制?民泊解禁で見られるホストへの影響とは?

Airbnbが日本の旅行比較サイトと提携したことによって、これまでAirbnbを利用したことがなかった日本のユーザーも、比較サイトを通して既存の旅行ツアーや宿泊施設と同様にAirbnbの情報に触れ、予約ができるようになる訳です。ユーザーは料金や部屋の環境など自分が望む旅行の条件をもとに、選択肢をより幅広く持てるようになります。

これまで日本でAirbnbが浸透しなかった理由には、ホテルや旅館などを対象にした旅館業の厳しい規制がありました。ですが、2020年の東京オリンピックの際に海外からの旅行客を受け入れる宿泊施設が不足するという問題もあり、東京都台東区・大阪府など国が指定した「国家戦略特区」内に限り、民泊を合法化する動きが始まっています。

2016年9月9日の諮問会議では、それまで特区内での民泊要件として最低滞在日数を「6泊7日以上」としていたものが「2泊3日以上」に緩和されることが決定。1週間以上の滞在では清掃作業などが難しいケースであっても、より短期間の利用が可能になったことで、民泊の申請件数が増加するのではないかと予想されています。

しかし、既存の旅館業者はこれまで厳しい法律を遵守し、努力をしてきた経緯があり、手軽に一般人が宿をシェアできる民泊に強い反発があることは否めません。旅館業界にも配慮をしつつ、民泊オーナー・ユーザー双方にメリットのある形で民泊シェアが浸透することが望ましいでしょう。

まとめ

民泊シェアの「Airbnb」が日本の旅行比較サイトと業務提携したことで、これをきっかけに日本でも民泊サービスの利用やオーナー申請が増えるのではないかと期待されています。旅館業に対する厳しい法規制も、国家戦略特区内では緩和が始まっていることから、民泊シェアの拡大につながっていくのではないでしょうか。

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