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ソーシャルメディアの普及やスマホオンリー化などのデジタル化が進むことにより、グローバル化が加速し、世界の国同士の距離感は縮まるばかりです。

その流れのとともに、UberやAirbnbに代表される欧米から生まれたシェアリングエコノミーという新たな経済概念は今や世界中に拡大しつつあります。

その流れの拡大先は今やアジアも例外ではありません。

そこで今回は、世界各国のシェアリングエコノミーの現状をまとめました。

目次

・イギリスでのシェアリングエコノミー

  • 拡大し続けるビジネスとしての可能性
  • 現在、対応が必要な課題とは

・アメリカでのシェアリングエコノミー

  • シェアはスタンダードに。余ったもので小遣い稼ぎは当たり前?!

・日本でのシェアリングエコノミー

  • まだまだサービス拡大に厳しい国内での現状
  • ホームシェアとライドシェアから見る、日本経済の活性化と効果

・韓国でのシェアリングエコノミー

  • 「共有都市」としての新たな出発、ソウル
  • 実施されている具体事業

・まとめ

イギリスでのシェアリングエコノミー

拡大し続けるビジネスとしての可能性

画像1

出典:http://www.pwc.co.uk/issues/megatrends/collisions/sharingeconomy/the-sharing- economy-sizing- the-revenue-opportunity.html

画像はイギリスにおけるシェアリングエコノミーとレンタルビジネスについて、成長具合を可視化したものです。

レンタルビジネス認知度が高く、成長の限界を迎えているビジネスもあります。それに対して、ピア・ツー・ピアービジネスやカーシェアリングなど、イギリスではまだまだ成長の見込みがある段階に位置しています。

出典:http://www.pwc.co.uk/issues/megatrends/collisions/sharingeconomy/the-sharing- economy-sizing- the-revenue-opportunity.html

円グラフは全世界において、シェアリングエコノミーとレンタルビジネスにおける2013年の収益と2025年の推定のものを算出したものです。

2013年において、シェアリングエコノミーでの収益は150億ドルでした。これはレンタルビジネスの収益である2400億ドルに比べると、わずか5%ほどしかありません。しかし、2025年になると表記されているシェアリングエコノミーの5つのビジネスだけでレンタルビジネスが至るであろう3350億ドルに並ぶという分析結果が挙げられています。

可能性の高さから、およそ10年で躍進的な収益を得られると見込まれています。2013年では全世界で150億でしたが、この額がイギリスだけで得られると示されています。

世界中円グラフ

現在、対応が必要な課題とは

この潜在した可能性を発揮するには取り組まなければならない課題が2つあるとされています。

1つ目は規制や財政など法に関わる問題をどうクリアするか。他産業への浸食や安全性の保障が懸念されています。2つ目はビジネスとして拡大していくために、ビジネスの独自性と信頼性を維持するために常に課題に向き合う姿勢をもつことです。シェアリングエコノミーには新しい市場が多く存在しており、各市場の動きを原動力として1つの業界として盛り上がっていくことが重要です。

アメリカでのシェアリングエコノミー

シェアはスタンダードに。余ったもので小遣い稼ぎは当たり前?!

UberやAirbnbといったシェアリングエコノミーを代表する企業が誕生したアメリカでは、副業として働く人が非常に多いデータが発表されています。

2012年から2015年にかけて、シェアリングエコノミーの労働者の人数は1030万人にのぼる調査結果が出ました。特に25〜34歳という若い年齢層が多く、本業において労働時間や内容に見合わない収入を得ていると感じている人たちがより多くの収入を求めてサイドビジネスとして取り掛かっているようです。

シェアリングエコノミーの報酬は平均530ドルで、本業の収入と合わせた全体のうちの3割がこの副収入から成り立っています。しかし、その収入の変動率は最大30%にもなることもあり、不安定な収入でもあります。

シェアリングエコノミーを通じて収入を得ている労働者は独立労働者と呼ばれ、その総数は増加してきています。アメリカの労働組合では、独立労働者も雇用労働者として区分をし、労働者の権利を擁護しようという運動が起こっています。

しかし、雇用労働者という枠組みで収めてしまうことで、シェアリングエコノミーの更なる発展の阻害になるのではないかという議論も進められており、その位置は未だ明確なものにはなっていません。

日本でのシェアリングエコノミー

まだまだサービス拡大に厳しい国内での現状

女性とタブレット

日本でシェアリングエコノミーが拡大していくには、国民のマインドセットやシステム自体の変更及び法制度の改正が必要とされています。

マインドセットの変更のためには、例えば日常の移動手段が、電車やバスといった公共交通機関からライドシェアへ移行していくという新たな流れに対して、多くの国民がそこに適応していくことが必要です。

シェアリングエコノミーの1つである民泊では、今年4月に規制緩和が施行されました。しかし、不正民泊が蔓延る現状からまだまだその壁は高く、規制の見直しの必要性が感じられます。

ホームシェアとライドシェアから見る、日本経済の活性化と効果

シェアリングエコノミーの国内市場規模は2025年に10兆円以上になると推計されています。具体例としてホームシェアリングとライドシェアにおける経済効果は次の通りです。

ホームシェアにおいては、2種類の経済効果が期待されます。宿泊費や、周辺レストランでの食事や商店での買い物などにあたるゲストの滞在で発生する消費によるもの。物件のリノベーションや民泊運営の代行業者など、ホストの物件への投資や周辺産業が生まれることによるものです。

一方ライドシェアでは、交通渋滞による総損失時間を減らし、生産性を上げることが期待されています。また、外出先での買い物による消費行動による経済効果も見込まれています。

韓国でのシェアリングエコノミー

「共有都市」としての新たな出発、ソウル

Seoul City and Downtown skyline

韓国・ソウルでは2012年9月20日に「共有都市・ソウル推進計画」を発表しました。高い経済効果や地域の活性化などを目的としています。高度に発達されたインターネットやスマホの普及率の高さからITインフラが非常に発展しており、シェアリングエコノミーに有利な環境が整っています。

ソウルでは共有経済に係わる企業や団体を都市が支援する制度が整っています。指定された企業・団体はその事業費の支援を市から受けることができるのです。

制度が設立された当初は情報のプラットフォームがまばらに存在し、利用者のアクセス難が課題でしたが、関連情報を集約させたオンラインプラットフォームが作られ、情報が一ヶ所に集まったことで、門戸が広くなりました。

実施されている具体事業

以下はソウル市内で行われているシェアリング事業の一部です。

自家用車共用利用事業(ナヌムカー)

カーシェアリングサービス。2015年12月時点で利用地点は1626ヶ所で累積利用者数は220万人

共有書架書

分譲を受けた本棚に所有の証明するネームラベルを貼って自分の本を保管することができ、お互いの本を交換して読む

ソウル写真銀行

ソウル市が保管する写真を市民が自由に使用することができ、また市民も自分の写真を共有

させることができる

まとめ

イギリスや日本では、まだまだ認知が高いとは言い切れないシェアリングエコノミーですが、その潜在価値は凄まじいものであるといえます。その可能性を引き出すために国がどのように制度を整え、国民に浸透させていくかが鍵となっているでしょう。

アメリカ、韓国ではシェアリングビジネスに積極的な姿が見られます。それらは人々の生活にとって欠かせない収入源になっていくかもしれません。しかし、まだ完成されていないビジネスモデルであるため、今後の議論や法整備の見直しは続いていくと思われます。

モノのあり方は、個人が享受する「所有」から他人と分かち合う「共有」へと変わりつつあります。この概念がビジネスだけでなく、世界のあり方への変化にもつながっていくのかもしれません。

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