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この数年でマーケットを広げているシェアリングエコノミー。様々な資産を社会でシェアしていこうというコンセプトで、経済効果を期待できると同時に、人と人との交流を生み出す効果も合わせ持っています。そういった特徴を活かした街づくりが、世界中で活発になってきています。

また、日本でもシェアビジネスは成長を続けていて、シェアリングシティが各地に誕生しているのです。「共有」をベースにした「シェアリングシティ」とはどんなものなのか、事例から探っていきましょう。

※2017年1月20日、一部加筆修正しました。

目次

  1. そもそもシェアリングエコノミーとは?
  2.  シェアリングシティで築く暮らしやすい街
  3.  世界に学ぶシェアリングシティ
  4. まとめ

そもそもシェアリングエコノミーとは?

「シェアリングエコノミー」とは、眠っている様々な資産を社会で共有し活用していくという概念であり、それらを共有するために、インターネットやアプリがプラットフォームとして使われるという点も大きな特徴です。

具体的にどういったサービスがあるのか、シェアされる資財で大まかに4つのカテゴリーに分けることができます。

1.スペースのシェア

海外から瞬く間に人気が広がった民泊マッチングサービス「Airbnb」が代表的。空いている部屋・建物・土地を、空いてる時にだけ提供、必要な時にだけ使用できるスタイルが主流です。

2.モノのシェア

モノをシェアするシェアリングエコノミーには、洋服やおもちゃなどのフリマ、レンタルサービスが挙げられます。日本ではモノをCtoCで売買できるアプリ「メルカリ」が好調。ユーザーを増やしています。

3.リソースのシェア

リソースのシェアは、人がスキルや労働力を提供するサービス。海外では「TaskRabbit」といったマッチングサービスがあり、「人手が欲しい」と困った時に重宝されています。

4.移動のシェア

移動のシェアといえば、アメリカから世界中に広まったライドシェアサービス「Uber」が知られています。低コストで質の良いサービスがユーザーに受け入れられました。

シェアリングエコノミーの市場規模は年々拡大する傾向にあり、イギリスのPwCの調査によると2013年には約150億ドルでしたが、2025年には約3,350億ドルまで成長することが見込まれています。

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シェアリングシティで築く暮らしやすい街

シェアリングエコノミーを快適で暮らしやすい街づくりに導入しようという動きが、国内でもスタートしています。

その最前線とも言える福岡市では、街のインフラにシェアリングサービスを導入する「シェアリングシティ構想」が進められています。スタートアップ企業の支援を積極的に行い、2015年2月には国内で初めて「Uber」のライドシェアサービス(みんなのUber)が試験的に導入されました(同年3月に終了)。これは、ユーザーがスマホアプリを使って近くにいる一般ドライバーの車に無料で同乗させてもらい、ドライバー側には「実験データ提供料」などがUberから支払われる仕組みでした。

他にも、新たに「シェアリングシティ宣言」をした自治体があり、各々がより良い街づくりにシェアリングエコノミーを導入し始めています。

・秋田県湯沢市

湯沢市では「Asmama」と協力し、子育てシェアリング事業を開始。これは顔見知り同士で子どもの送迎・託児といった子育て支援を行い、市民の支援者(=リソース)を活用すると共に、子育てを地域ぐるみで支えようという事業です。

・千葉県千葉市

千葉市は、国内第2位の規模の展示施設・幕張メッセを有する街。競争が激化しているMICE誘致のためにも、街の魅力を高めたいと考え、レンタルスペースのシェアを提供する「スペースマーケット」と連携しました。同市に多く訪れる外国人客のために、会議・レセプション施設の利用促進を図っていくそうです。

・静岡県浜松市

浜松市は平成17年の市町村合併により、全国で2番目の広さを持つ市に。都市部から中山間地域までをエリアに含んでいます。まずは中山間地域の活性化を狙い、地域住民との交流と様々な体験を提供する「TABICA」と連携し、浜松ならではの体験型旅行を発信中だそう。すでに佐久間町での蕎麦打ち体験、龍山村のコンニャクづくりなどのコンテンツがスタートしています。

・佐賀県多久市

多久市では、インターネットを活用することによって、雇用の創出を目指しています。クラウドソーシングの「クラウドワークス」と連携し、職を求める市民のために在宅ワークを推奨。「ワーキングサポートセンター」を立ち上げ、幅広い年齢層にクラウドソーシングの仕事を提供していく予定です。

・長崎県島原市

島原市では25年前の雲仙普賢岳噴火以来観光客数が落ち込んでおり、その対策のために「株式会社島原観光ビューロ」という新しい会社が組織され、新しい観光のあり方を模索しているそうです。なかには「スペースマーケット」と連携して、島原城をまるごとシェアする大胆な取り組みも。観光地としての新しい魅力を生み出しています。

世界に学ぶシェアリングシティ

世界各地では、シェアリングエコノミーをどのように街づくりに活用しているのでしょうか。

オランダのアムステルダムでは、2015年に「アムステルダム・シェアリングシティ」を宣言し、数々のシェアサービスを推進しています。世界で初めて「Airbnb」に対する規制を整えた街でもあり、既存の宿泊施設に配慮をした法整備により、ホテル業界から大きな反発を受けることなく民泊のシェアを普及させました。

また、「share NL」という民間機関が情報発信のほか、企業や政府、研究機関などと連携してシェアビジネスを進めています。その活動の一例が「Stadspas」という低所得者・高齢者向けシティーパスの発行。これは自治体と協力し、イベントやスポーツ施設、公共交通などのシェアサービスを対象者が割引で受けられるようにしたものです。

また、アジアでは韓国・ソウル市がシェアリングエコノミーの最先端都市に挙げられるでしょう。2011年に現市長のパク・ウォンスン氏が就任し、経済の低迷を打破すべくシェアリングエコノミーに着目。2012年には「シェアリングシティ・ソウル」を宣言しています。

カーシェアリングの「ナヌムカー」、民泊サービス「コザザ」、恩平区の「物品共有センター」など、市が様々なシェア事業を後押ししています。

まとめ

余っているモノやリソースなどを活用し、社会で共有していくシェアリングエコノミーは、経済効果や市民の交流を生み出し、より良い街づくりを目指す上で効果的です。シェアサービスを浸透させたシェアリングシティは、これから世界中に増えていくことでしょう。

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