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民泊新法の成立によって日本でも民泊が注目を集めている中、大手の賃貸業者が民泊業界に続々と参入しています。

もともと賃貸管理や不動産仲介を行ってきたことから、民泊事業への参入がしやすかったことが要因としてあるようです。空き家や空き部屋などの有効活用ができる民泊は空室問題に悩む賃貸業者からは歓迎ムードで、賃貸物件オーナーの収益向上への期待も高まっています。

ここではリクルートの民泊参入の概要と、国内の賃貸業者における民泊事業への参入状況について解説します。

目次

  1. リクルートにおける民泊参入の概要とは
  2. 国内賃貸業者の民泊参入状況について
  3. まとめ

1.リクルートにおける民泊参入の概要とは

リクルートホールディングスの傘下企業であるリクルート住まいカンパニーは、民泊仲介サイト大手のAirbnbと業務提携を通じて、民泊事業に参入すると発表しました。これはリクルート住まいカンパニーが運営している不動産情報サイト「SUUMO」に掲載の賃貸物件を、民泊事業としても活用していくという取り組みです。

Recruit-Smai

引用:https://www.recruit-sumai.co.jp/press/2018/01/jyutakushukuhaku.html

 

これまで賃貸物件では空室時に入居者がなかなか決まらないなど、家賃収入が途絶えてしまうことがオーナーにとって大きなリスクとして存在していました。

ところが今回の提携によってSUUMOに掲載している賃貸物件は、入居者の募集を行うと同時に、Airbnbのサイト上で民泊物件として宿泊者を募集することが可能になります。そのため空室時でも民泊として利用してもらうことで利益が生まれ、空き物件を所有するオーナーの収益向上を図ることができるとしています。

実際に民泊を運営する際には、宿泊客とのやりとりや周辺住民とのトラブルなど、さまざまな業務への対応が求められます。この点でも、今回の提携により予約受付や問い合わせ対応、鍵の受け渡し、清掃、リネン準備など、民泊の運営に関する業務を提携する事業者に委託することが簡単にできます。そのため賃貸物件のオーナーにかかる負担を軽減し、民泊運営の経験がなくても安心してサービスを提供することが可能になりました。

また法令の順守はもちろん、独自にガイドラインを設定することでトラブルを防止。安心・安全なサービスであることをアピールしています。

今後はAirbnb上だけでなく、ほかのプラットフォームや特設サイトなどを通じて集客施策が展開され、全世界から宿泊客を集めるということです。マーケティングデータの分析など、Airbnbが蓄積してきた民泊運営のノウハウを活かして、民泊事業を進めていく見通しです。

 

2.国内賃貸業者の民泊参入状況について

今回のリクルートに限らず、国内ではすでに多くの賃貸業者が民泊事業に参入をしています。もともと賃貸物件を扱っていた事業者では不動産運営のノウハウや空き物件の情報を持っていることなどから、民泊事業への参入障壁が低かったことが要因として考えられます。空き物件を活用できる民泊は賃貸事業者とも相性が良く、民泊運営を手がける企業と提携をすることによって、効率的に民泊事業を運営しているケースも散見されます。

加えて、これから民泊新法が施行されることで民泊の事業を開始しやすくなり、大手企業の参入がますます進むとみられています。日本の民泊市場はさらに盛り上がっていくのではないでしょうか。

民泊新法については以下の記事で詳しく解説しています。

関連記事:

遂に民泊新法が成立!その概要と施行時期、気になる今後の市場動向

 

LIFULL HOME’S

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https://www.rakuten-lifull-stay.co.jp/vacationstay.html

不動産情報サイトLIFULL HOME’Sを運営するLIFULLは、楽天と共同で新しく楽天LIFULL STAY株式会社を設立し、日本国内で民泊事業に参入することを明らかにしました

楽天LIFULL STAYは民泊プラットフォームとなる「Vacation Stay(仮称)」を立ち上げ、民泊施設を提供したい人と宿泊したい人とを結びつけます。空き家や空き部屋を所有する個人や法人向けの民泊支援サービスも予定しており、使われていない遊休資産の活用機会を提供していくという見通しです。

さまざまなネットサービスを展開している楽天と、不動産・住宅情報サイトを運営するLIFULLがそれぞれの強みを活かすことで、日本最大の民泊プラットフォームを目指しています。とくに楽天は、国内に保有する多くの会員へのアプローチや、自社で運営している楽天トラベルへの掲載ができるため、集客という点において他社よりもアドバンテージがあるといえるでしょう。

また楽天LIFULL STAYでは、アパート賃貸事業のレオパレス21へ民泊運用代行サービスを提供することを発表しました。これは、民泊を運用してみたいけれど方法がわからなかったり時間を割くことができなかったりという遊休資産オーナーのためのサポートサービスで、レオパレス21への提供が初めてとなります。

レオパレス21の自社物件に対して民泊物件としての改装も行っていく予定で、前述の民泊プラットフォームサイト「Vacation Stay(仮称)」にも掲載されるということです。

レオパレス21では、すでに玄関ドアのキーにスマートロックを導入することを決めています。スマートロックはスマートフォンやICカードに対応したネットワーク型の鍵で、民泊として運用したときにも宿泊者と鍵の受け渡しをする必要がないという利便性があります。

遊休資産の活用や民泊への参入企業については以下の記事も参考にしてください。

関連記事:

遂にスペースマーケットが民泊事業に本格参入!民泊解禁・自由化で急成長するマーケット―参入企業一覧まとめ―

 

・エイブル

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https://tomareru.jp/

賃貸仲介大手のエイブルはとまれる株式会社と業務提携して、賃貸住宅の空き物件に旅行者が泊まれるサービスを提供すると発表しました

「とまれる」ではもともと農家などへの民泊を仲介するプラットフォーム「STAY JAPAN」を運営しており、地方の農業や漁業、郷土料理など地域に根ざした体験ができることで国内外からの観光客から支持されています。

これまで地方を中心とした民泊を展開していた「とまれる」は、この業務提携によって国内の大都市エリアの空き物件に旅行者が泊まれるサービスを開始するとしています。民泊のノウハウを持っている「とまれる」と、賃貸物件を数多く管理しているエイブルとが協力し、旅館業法の特例である特区民泊において本格的に民泊事業へ参入する見通しです。エイブルの管理する賃貸物件を民泊として活用したり、空き家物件のオーナーへ民泊を提案したりといった取り組みも注目されています。

「とまれる」の運営する民泊サイトについては、以下の記事でも紹介しています。

関連記事:

訪日外国人観光客が注目する国内のシェアリングエコノミーサービスとは

 

・アパマンショップ

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http://www.apamanshop.com/kagukaden/

賃貸仲介大手の株式会社アパマンショップは、従来の2年契約の賃貸物件に加えて、短期・中期の賃貸プランと民泊への参入を発表しました

アパマンショップでは、Qrio 株式会社との業務提携によって一部の地域でスマートロックの導入を行っており、民泊サービスの開始に向け鍵の管理や受け渡しの効率化を図るとしています。さらに、エンターテイメント事業を企画・運営する株式会社ぽけかる倶楽部と業務提携を行いました。ぽけかる倶楽部はすでに旅行商品の提供においてシニアマーケット市場で知名度があり、得意とする観光プラン企画やイベント企画などを民泊サービスに取り入れるとしています。

アパマンショップの民泊サービスはまだ民泊特区内のみに限定されていますが、民泊事業へ参入する準備は着々と進められており、民泊新法の施行後に本格的なサービス展開をすると思われます。

 

3.まとめ

来日する外国人旅行者の増加にともなって、日本の民泊業界も盛り上がりをみせています。まだ準備段階であったり特区民泊のエリアのみの提供だったりと限られたサービスにとどまっていますが、民泊新法が施行されるタイミングで本格的に各社が事業を展開していくとみられています。

東京五輪が控えていることもあり、Airbnbをはじめとした海外の企業も日本の民泊でビジネスチャンスを狙っているようです。そのため今後ますます各企業の競争は加熱していくと思われます。

空き家や空き部屋の民泊利用による収益化は賃貸物件オーナーからも熱い視線を浴びており、地方のみならず大都市でも増加している空き家問題の解決策としても期待されています。これから各賃貸業者が、どのようにサービスを提供していくのか注目です。

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