シェアリングエコノミーラボ (Sharing Economy Lab)

おさがりも送り迎えも!子供向けのシェアリングサービスの需要拡大とサービスの意義

たくさんのモノがあふれている現代社会。

モノを持つということに対する価値観が変わり、あらゆるジャンルでシェアリングエコノミーが広がりつつあります。

今回はそんな中から、「子ども」に関するシェアリングサービスに注目してみました。

日本に昔からある「おさがり」という文化の発展、また、お父さんお母さんの頭を悩ませる「送り迎え」について、便利で驚きのシェアリングサービスをご紹介します

目次

  1. ゲームもおもちゃも共有!? KIDSTrade
  2. 子供の送迎問題はシェアリングエコノミーで解決! KIDSLINE
  3. まとめ

1.ゲームもおもちゃも共有!? KIDSTrade

プリンストン大学の学生が始めた子ども専用の持ち物交換アプリ「KIDSTrade」は、子どもが使わなくなった持ち物を近所の子どもと交渉して、欲しい物と交換するオンラインマーケットプレイスアプリです。取り引きが成立すると親にメールで知らせがあり、親が許可すれば交換だけでなく売買も可能です。

KIDSTradeを使うことで、子どもは親にねだる以外の能動的な方法で欲しい物が手に入ることを知り、親がすべてを買い与える必要がなくなると同時に、子どもの自立を促すことにつながります。また子どもは、いらなくなった物が欲しい物と交換できるという発見から、物の価値に気づき、物を大切に扱うようになるとKIDSTradeは言っています。

また交換相手は同じ学校の生徒で上下一学年の範囲、交換は対面でおこなうと決められているので、子どもの安全を守る一方で、親や子ども同士の交流を活発にする効果も期待できます。

「遊びながら学べる」の真相は

KIDSTradeでは、今や生活に欠かせないものとなっているオンラインショッピングやオークションなどのサービスを親の見守る中で経験できるので、親子両者にとってメリットが大きいでしょう。また大人向けのサービスを子供用に利用を限定したものではなく、子ども専用のプラットフォームでネットリテラシーを身に付けられるという点でも貴重です。

KIDSTradeは写真と商品紹介の2項目だけで出品するため、どういった写真や説明が友だちから注目を集めるか、人気のアイテムになるか、子ども自身で考え工夫するので、創造力が磨かれます。また友だち同士のやり取りであっても、交換を決定するまでには、対象決定、オファー、承諾などの過程があり、早くから交渉術を学ぶことができます。

2.子供の送迎問題はシェアリングエコノミーで解決! 「KIDSLINE」

我が子に習い事をさせたくても、その送り迎えの負担が大きく困っている人々が増えています。特に時間の制約が多い共働き夫婦にとっては切実な問題なのです。シェリングエコノミー以外の送迎サービスもありますが、利用料金が高額で定期的に使うのが難しいという事情がありました。

そこでベビーシッターのマッチングプラットフォームKIDSLINEは、登録しているベビーシッターの空き時間を利用したシェアリングエコノミーで、送迎サービスを開始しました。

シッターの空いた時間を利用することで、低価格で利用できるだけでなく、近所で交通費がかからない、時給が安いなど、条件を依頼者がオンラインで指定して探せます。また依頼者は送迎サポーターと直接連絡を取れるので、直前まで待ち合わせ場所などの調整ができて便利です。

KIDSLINEでは送迎サービスが好評のため、今後送迎専門のサポーターの募集を開始すると発表しています。面接と送迎の研修を受けたのち、送迎専門サポーターとして登録可能になるようです。

4.まとめ

過去を振り返ると、「お下がり」や「送り迎え」は、かつては近所づきあいの中で普通におこなわれていたことでしたが、時代の流れとともに徐々に失われてしまいました。

そんな中、シェアリングエコノミーのシステムを取り入れ、サービスとして世の中に受け入れられつつあるのが、今回紹介した2つのサービスです。

今後、価値観の変化に伴い、こういったシェアリングサービスのアイディアは続々と生まれてくることでしょう。特に、新たな付加価値を取り込むことで、もしかしたら世の中のシステムを大きく変えるような、素晴らしいサービスになるかもしれませんね。