シェアリングエコノミーラボ (Sharing Economy Lab)

街中のスペースに荷物を預けられる「ecbo cloak」 預けた荷物の配送サービスも視野に

Calm girls waiting for boarding near departure gate. They are observing planes from window. Copy space in right side

ecbo cloakは、荷物を預けたい人と空きスペースを持つ店舗や施設をマッチングし、カフェやホテルなどの空きスペースに荷物を預けられるサービスです。ユーザーは手軽に利用でき、スペース提供側もゼロコストで参入できることが大きなメリットになります。

ecbo cloakは様々な企業と提携していますが、JR西日本と提携し、メルカリから出資を受けたことで、流通業界への参入やよりスムーズな決済方法など、さらなるサービスの向上が見込まれます。将来的には荷物の配送サービス「ecbo delivery」を開始する予定です。これにより、革新的な流通プラットフォームを生み出すことが期待されます。

目次

  1. 「ecbo cloak」とは
    ・サービス概要について
    ・ビジネスモデルについて
  2. JR西日本との提携、メルカリから出資
  3. 次なる展開は「ecbo delivery」
  4. まとめ

1.「ecbo cloak」とは

・サービス概要について

ecbo cloakは、荷物を預けたい人と空きスペースを持つ店舗や施設をマッチングし、カフェやホテルなどの空きスペースに荷物を預けられるサービスです。訪日外国人の増加に伴い「コインロッカー難民」問題が顕在化する中、これを解決する手段の一つとして注目を集めるシェアリングエコノミーサービスです。

事実、このサービスが誕生したきっかけについてはecbo cloakの運営会社であるecbo株式会社 工藤慎一社長がこんな風にエピソードを語っています。「ある日、訪日外国人の方に「このスーツケースが入るコインロッカーが見つからない」と声をかけられて、一緒に探したけれど見つからなかった。後から調べると渋谷にはコインロッカーが約1400個しかなくて、大型になると約90個しかない。その状況を知り、これだ!と思いました。

現在、ecbo cloakは関東・関西・福岡・北海道・沖縄といった首都圏や観光地へ対応エリアを広げ、三越やTSUTAYAなどの店舗にも導入されています。

http://jp.techcrunch.com/2018/02/06/ecbo-fundraising/

・ビジネスモデルについて

近年、「コインロッカー難民」の存在が知られるようになりました。ハロウィンや花火大会など大人数が集まるイベントの際などに、空いているコインロッカーを探すのに苦労した経験を持つ人は多いでしょう。そんな時、ecbo cloakにアクセスし、荷物を預けたい場所と日時を入力すると、預けられるスペースの候補が表示されます。その中から預ける場所を選び、予約ができます。

預けるスペースを提供したい人は、オーナー登録をすると審査を経て登録されます。サービス提供店舗となった場合、スペースを解放することによって新たな集客と副収入を期待できます。

https://ecbo.io/insurance_tokyokaijonichido/

ecbo cloakでは現在、東京・京都・大阪・福岡・沖縄・北海道のエリアで荷物を預けられます。民間企業との協業も盛んで、福岡三越TSUTAYAの一部点店舗でサービスを展開中です。さらに、現在複数の企業でテスト導入を行っています。

民間や個人のスペースに荷物を預けられるサービスは他にもありますが、ecbo cloak独自の強みは何でしょうか。工藤氏によると、預ける側のメリットは「言語が通じなくても簡単に荷物のチェックイン・チェックアウトができるところ」です。

サイトは多言語に対応しており、カスタマーサポート体制も整えているので、誰でも気軽にサービスを利用できます。また、荷物を預けるスペースを提供する側のメリットとしては、「コストゼロ」で始められることが挙げられます。

このようにecbo cloakは企業の空きスペースを利用したサービスですが、個人の空きスペースを利用した荷物預かりサービスについては、以下の記事を参考にしてください。

参考記事:

個人の空きスペースで荷物を管理するシェアリングエコノミー「monooQ」とは?

 

2.JR西日本との提携、メルカリから出資

ecbo cloakはサービス開始以来、民間企業との協働に力を入れています。

先に挙げた企業以外では、アパマンショップ東京駅の手荷物預かり所でテスト導入が始まっており、今後は東京都と神奈川県の一部の郵便局でも実証実験が行われる予定です。特に、東京駅への導入は、JR東日本が設立したベンチャーキャピタルやメルカリからの出資を受けて実現し、話題となりました

工藤氏は東京駅で荷物預かりサービスを提供することについて「店舗数はもちろん、いかに駅前の好立地を開拓できるかがユーザーの利便性に直結する。(中略)ビジネス規模が広がるだけでなく、もし今後大手企業などが参入してきたとしても立地面では優位に立てる」と考えています。

また、メルカリとの協業により新たなサービスができそうです。メルカリはすでにシェアサイクルスキルシェアサービスの分野に参入しており、シェアリングエコノミーサービスに関する豊富な知見をecbo cloakのサービスに活用していくものと考えられます。さらに、メルカリは昨年、金融事業子会社「メルペイ」を設立しました。このことから今後、スムーズで便利な決済方法がecbo cloakに導入される可能性もあります。

 

3.次なる展開は「ecbo delivery」

ecbo cloakが次なる展開として打ち出すのが「ecbo delivery」です。これは、預けた荷物を配達してくれるサービスです。

このサービスを実現するにあたり、すでに協業を行っている企業の強みが活かされます。郵便局は全国に荷物を配送できるネットワークとノウハウを持っていますし、JRと手を組むことで、将来的には大量の荷物を運ぶことが可能になるかもしれません。

http://jp.techcrunch.com/2018/02/06/ecbo-fundraising/

「ecbo delivery」を実現させるために、ecboは2018年夏にも郵便局とともに荷物配達サービスの実証実験を開始する予定です。

具体的には、手書き伝票の手間を省略し、将来的には既に預けた荷物を後からボタン1つで配送手配することを目指すと発表されています。これにより「ecbo delivery」が実現すれば出張や旅行など様々なシーンで便利な移動ができるようになることでしょう。

ecboの当面の目標は「この領域で圧倒的No.1の存在を目指すこと」。さらにそれだけではなく、将来的には「『ボタン一つで荷物を保管し、運ぶ』ことができる革新的なプラットフォーム」を目指し、視野に入れています。

 

4.まとめ

荷物を預けることができるシェアリングエコノミーサービスは他のもありますが、ecbo cloakの強みは様々な業種と提携し、ユーザーに幅広い選択肢と安心感、そして圧倒的に便利な体験を提供できることだと言えるでしょう。JRや郵便局といった歴史ある物流企業と協業したことにより、ひいては物流に革命がおきる可能性もあるのではないでしょうか。