近年注目を浴び、すでに普及してきている感のあるシェアリングエコノミーですが、今後はさらなる普及が見込まれています。大幅に普及が進むであろう分野の一つとして、金融サービスが挙げられます。
金融の中でも「ソーシャルレンディング」というサービスが事業規模を拡大しており、ソーシャルレンディング国内最大手maneoマーケット株式会社は、41,435人の登録ユーザー数、成立ローン額623億2,586万円(2017年2月1日現在)となっています。
今回はシェアリングエコノミーが普及している背景と、金融分野のシェアリングエコノミーサービスについて解説します。
目次
- シェアリングエコノミーが普及する背景
- 金融ビジネスの力で加速するシェアリングエコノミー
- まとめ
シェアリングエコノミーが普及する背景
シェアリングエコノミー普及の背景にはインターネットやスマートフォンなどのテクノロジーの発展が挙げられます。インターネットから簡単にサービス利用、管理が行えるようになったことは、ユーザー側・サービス提供側双方にとって、非常に利便性が高まり、シェアリングエコノミーが普及する大きな要因になりました。
「見知らぬ人同士がモノを貸し借りする」というリスクはありますが、各シェアリングサービスも対策として、既存SNSとの連携を必須とするなど、レビュー評価を用いたユーザー間の信頼関係構築をサポートしています。
今後のシェアリングエコノミーの世界市場規模予想として、2013年に約150億ドルだった市場規模が、これから約20年後の2025年には、約3,350億ドルまで成長すると見られています。経済への影響力も高まっていくでしょう。
Uberの事例を挙げると、単にタクシーの代替手段を提供するサービスではなく、一般ドライバーのライドシェアが実現できるプラットフォームを作り出すことで、人の移動手段自体に変革を起こしています。
このようにUberに限らず、シェアリングエコノミー業界全体が、既存システム自体を変えられる可能性を秘めているということが言えます。
金融ビジネスの力で加速するシェアリングエコノミー
IT技術を駆使したP2P融資「ソーシャルレディング」とは
当記事の冒頭で挙げていた金融サービス分野のシェアリングエコノミーについて触れていきましょう。
まず改めてソーシャルレンディングについて説明します。ソーシャルレンディングは、P2P融資とも呼ばれている、インターネットを介した融資サービスです。お金を貸したい人(個人の投資家)と借りたい人(中小企業や個人)を仲介してくれます。既存の金融機関では対応できない中小企業や個人の資金需要者に対して融資を行うことで、それらとの差別化も計れます。
シェアリングエコノミー×金融サービスが担う役割
シェアリングエコノミーが地域課題解決の一端を担うのではないかと近年期待が膨らんでいる中、金融機関に求められる役割は何でしょうか。
それは金融機関が持っているであろう地域内外のネットワークを活用して、地域課題とシェアリングエコノミー企業や自治体をマッチングし、その地域の状況にあったシェアリングサービスを適用することです。
英国の新興銀行メトロ・バンク(MetroBank)が2015年にソーシャルレンディングの大手であるZopaと提携し、個人融資を開始した例がありますが、関係企業や自治体が上手く連携し、それぞれの視点からアイデアを創出していくことで新たなビジネス・発見が生まれていくのではないでしょうか。
まとめ
シェアリングエコノミーのさらなる普及に向けて重要な位置づけにある金融サービス分野は、新しい産業や事業が生まれるハブのような役割を担っていく可能性もあります。地域に根ざした金融機関が地域課題とシェアリングエコノミーを結びつけていくことで、利用が促進されていくでしょう。