シェアリングエコノミーラボ (Sharing Economy Lab)

わずか3日でシェアリングサービスを提供。シェアリングエコノミーを支える新サービス「いきなりシェアリングエコノミー」とは?

Young determined businessman standing in start position

シェアリングエコノミー市場が盛り上がりをみせていますが、シェアリングサービスの提供にはプラットフォーム開発にコストや時間がかかるため、なかなか新規参入が難しいとされていました。そこで、シェアリングサービスのシステムをパッケージ化して迅速にリリースできる新サービスが注目を集めています。

3日という短時間で好きなサービスをリリースできる「いきなりシェアリングエコノミー」とはどのようなサービスなのでしょうか。この記事では、サービスの利用例を交えて解説していきます。

目次

  1. 「いきなりシェアリングエコノミー」とは
    ・サービス概要について
    ・サービスの実例
    ・運営会社について
  2. シェアリングエコノミーを支えるテクノロジー
  3. まとめ

1.「いきなりシェアリングエコノミー」とは

 ・サービス概要について

http://ikinari-sharing-economy.mof-mof.co.jp/

2018年4月にリリース予定の「いきなりシェアリングエコノミー」は、希望通りのシェアサービスやマッチングサイトを立ち上げることができるサービスです。個人や小規模な組織では、シェアリングエコノミーのサービスをリリースしたいと思っても、開発に膨大な工数がかかったり、そもそも開発する人員の確保が難しかったりといった課題がありました。「いきなりシェアリングエコノミー」は、そういった課題を解決するため「いきなりMVP」と「シェアリングエコノミースターターパッケージ」を組み合わせたサービスです。

「いきなりMVP」は、プロダクトの機能を最小限に抑えるかわりにスピーディにサービスをリリースするという考え方です。実際に使っていく中で、顧客のニーズに合わせて開発を繰り返していきます。開発プログラムには土台となる「シェアリングエコノミースターターパッケージ」を利用することで、通常では3ヶ月かかる開発をわずか3日にまで短縮することができ、コストの削減も実現しました。

パッケージには、標準で以下の機能が実装されます。

・ソーシャルログイン
・レスポンシブ対応
・メッセージ機能
・決済機能対応
・Google mapで案件表示
・予約機能
・ユーザー情報管理
・案件登録・変更・削除
・案件検索
・案件成立時などのお知らせ

これだけでも基本的な必須機能は十分に備わっていますが、サービスの内容によってはオリジナル機能の追加開発も依頼することが可能です。

ゼロから開発をスタートするよりも格段にハードルが下がるため、シェアリングエコノミーの新規事業が増えることも予想されます。

・サービスの実例

それでは、実際に「いきなりシェアリングエコノミー」で作成されたサービスの実例をご紹介します。

A4サイズの棚シェアサービス 「エーヨ!」(合同会社ユキサキ)

https://a-yo.jp/

「エーヨ!」は、人の集まる場所にチラシやショップカードを置いてもらいたい人と、そういったチラシなどを置けるスペースがあるお店や施設をマッチングするサービスです。

空きスペースを所有するお店や施設のオーナーはホストとして登録し、チラシなどを置きたい人はゲストとして会員登録をします。ホストとゲストともに登録費や月額固定費は無料で、ゲストはチラシを置く日数分のお金をホストに払います。ホストはチラシの審査や、商品の委託販売をすることも可能です。

委託販売ではホストが在庫管理をしなくても済むよう、商品は見本だけを置いておき、顧客が購入したい場合はゲストの運営するネットショップでオーダーしてもらう、という方法を推奨しています。顧客がネットショップへスムーズにアクセスするためのQRコードカードの用意も「エーヨ!」の運営で行っています。

スポット案件特化型看護師求人サイト 「なでしこナース」(フォー・ユー・ライフケア株式会社)

https://nadeshikonurse.jp/

「なでしこナース」は、医療施設と看護師とをつなぐシェアリングサービスです。子育てや介護などで常勤することが難しい看護師と、看護師不足に悩む医療施設とをマッチングしています。

医療施設は単発やスポット、非常勤の求人を低コストで出すことができます。スキルを細かくチェックできる機能があるので、採用もスムーズです。

仕事をしたいユーザーは会員登録をして、自分の条件に合った求人を探すことができます。会員登録や仕事の応募はスマートフォンのみで完結することができ、わからないことがあれば気軽に質問できるチャット機能も用意されています。

仕事をしたらレビューすることができる相互レビュー機能があるので、マッチングする際の参考にできます。

・運営会社について

「いきなりシェアリングエコノミー」を提供する株式会社mofmofは、「新しいテクノロジーを使って新しい価値を創造し、より一般的なものに変えること」をミッションに、2015年4月に創業した企業です。

エンジニアを中心として、アジャイル型開発によりwebサービスやアプリの受託開発事業を行ってきました。近年はシェアサービスやマッチングサイトといったシェアリングエコノミー分野のサービスを開発する依頼も多くなってきたのだそうです。

そこで、誰でも簡単に作りたいシェアサービスを作ることができないか、という考えのもとに生まれたのが「いきなりシェアリングエコノミー」です。

土台となるパッケージを使用して開発にかかる時間的・経済的なコストをできるだけ削減することで、検証可能なプロダクトをスピーディに作ることを目指したそうです。

同社ではこのほかに人工知能チャットボット作成サービスも提供しており、今後は機械学習を応用した自社プロダクトの開発にも取り組んでいくとしています。

 

2.シェアリングエコノミーを支えるテクノロジー

民泊やライドシェアなどのニーズの高まりを受け、昨今ではシェアリングエコノミーサービスの提供・運営をサポートする別のサービスが増えています。

IoTやデジタルキーといった技術は、テクノロジー面でシェアリングエコノミーを支えるものであり、すでに民泊やシェアサイクルでの利用が進んでいます。

プラットフォームの提供という切り口では、今回ご紹介した「いきなりシェアリングエコノミー」のほかにも、あらかじめ用意されているシステムを利用してマッチングサイトを作れるマーケットプレイスのサービスも増えています。

今後はAIやブロックチェーンといった新しい技術が活用されることも考えられ、結果としてシェアリングエコノミーを提供するコストの削減やサービスの信頼性向上につながることが期待できそうです。

関連記事:

シェアリングエコノミー普及の助けとなるか。新しいマーケットプレイスが続々ローンチ

IoTがシェアリングエコノミーを推進する。今後の展望と国内の事例を解説

大日本印刷、スマートフォンで開閉可能なデジタルキーをシェアリングエコノミー向けに開発

 

3.まとめ

「いきなりシェアリングエコノミー」のようなパッケージサービスの出現によって、今まで参入が難しかった小規模な事業者や個人でもシェアリングサービスを提供できる環境が整ったといえるでしょう。

大企業では提供が難しいニッチな分野や、新しい発想のシェアリングサービスが生まれることもあるかもしれません。

シェアリングエコノミーはこれからも市場の盛り上がりが予想され、新しい技術を用いて裏から支えるサービスにも今後注目が集まります。