昨今、スタートアップ企業によるシェアリングエコノミーサービスの立ち上げだけでなく、大手企業がシェアリングエコノミー業界に参入するケースが見られるようになりました。
たとえばSuumoを運営するリクルート住まいカンパニーは、全国の不動産会社とのコネクションを活用して、空き駐車場を活用したいオーナーと駐車場を探すのに時間を費やしているドライバーをマッチングする駐車場のシェアリングエコノミーサービス「Suumoドライブ」を2017年のGWを目処に開始すると発表しています。
本記事では上記のように、大手企業のシェアリングエコノミー事業参画における問題やそれを回避するための考え方について解説します。
目次
- シェアリングエコノミーの市場規模
- シェアリングエコノミー事業を発展させるためのガイドライン
- ガイドラインを遵守したサポートサービス
- まとめ
1. シェアリングエコノミーの市場規模
2015年度の総務省情報通信白書「ICTの過去・現在・未来」でも紹介されているPwCの調査報告によると、2013年では150億ドルほどと推定している世界全体のシェアリングエコノミー産業ですが、2025年には3,350億ドルになりえると発表しています。
一方、国内全体のシェアリングエコノミー業界について、矢野経済研究所の調査結果によると2016年度は360億円、2020 年度には 600 億円に及ぶ見込みです。また新経済連盟は2015年の提案で2025年の国内シェアリングエコノミーの市場規模は10兆円以上になると提言しています。
現状の日本での成果について、シェアリングエコノミーを牽引するサービスAirbnbは2016年発表において、2015年での日本のAirbnbホスト収益は2,363億円で経済波及効果は約5,207億円と試算しています。世界でも日本でも、発展する可能性の大きいビジネス領域であるといえます。
2. シェアリングエコノミー事業を発展させるためのガイドライン
また内閣官房は2016年、日本でシェアリングエコノミーの事業運営で安全なサービスを提供するための指針を固めました。プラットフォーマーがサービスの安全性を確保するために策定されたガイドラインをみると、特に下記の5項目が重要視されているといえます。
- 事前確認
- サービスの提供者、利用者の本人確認を厳粛化(※運転免許証などで確認)
- 事前面談
- 育児代行の仲介業者は、サービス提供者が信頼できるかどうか、事前に面談するなどして確認できる機会を提供すること
- 事後採点
- サービスの良し悪しを事後評価できるレビュー等の仕組みの導入
- トラブル対応
- 相談窓口を設置すること、仲介業者やサービス提供者は賠償保険などに加入すること
- 情報漏えいの防止
- 経験の少ない中小の仲介業者がクレジットカード情報などの個人情報を取り扱う際の注意事項整備
これらによってプラットフォーマーが安全確保のために遵守するべきポイントが明確になりました。以降は、このガイドラインの内容をいかに遵守していけるのか、シェアリングエコノミー事業者をサポートしているサービスを見ていきます。
3. ガイドラインを遵守したサポートサービス
実際に企業がサービスを立ち上げるためには、シェアリングエコノミーの場となるプラットフォームの構築が必要です。プラットフォームの構築にはユーザーとして貸し手(ホスト)と借り手(ゲスト)のやり取りが発生してきます。
そういった中でトラブルが起きないように、サービスの安全性担保の面で、企業が取り組みやすい対策は「本人確認を実施する、シェアリングエコノミー専用保険に加入する、ユーザーによるレビュー(事後採点)を導入する、ユーザーサポートを設ける」など考えられます。
実際に多くの企業ではサービス提供者や利用者の本人確認を行っています。
- ライドシェア:notteco(のってこ)
中、遠距離の車移動をシェアするプラットフォームnottecoでは、ドライバーと乗客の両者もれなく本人確認を行っています。https://cp.notteco.jp/newsufaqs/d-2
- モノのシェア(フリマ):Frill(フリル)
若年層に人気のフリマアプリFrillでは、販売商品の金額で上限を設けてそれ以上の利用がある場合に本人確認を行っています。https://faq.fril.jp/c1q14/
サービスを受ける人と与える人の両方が安心できるプラットフォームには、サービスの質以前に、こうした土台となる管理システムが必要です。
シェアリングエコノミー協会の理事でもある、ガイアックスグループでは本人審査や監視にくわえ、システム構築や運用保守、ユーザーサポート、リプライマーケティングによる市場のヒアリングなど、事業を拡大するうえで必要なサービスをワンストップで提供できます。また、基本機能をベースに、個々の事業に合わせてサービスをカスタマイズしてご利用いただけます。
- 本人審査・監視
ガイアックスグループが提供する「TRUST DOCK」では、API組み込みによる本人確認サービスを提供しています。身分証画像に不正がないことを確認した後に、サイト内で登録した氏名・住所などの情報との一致を確認し、結果をAPIにて返却します。オペレータが24時間365日チェックを行い、結果を1時間以内に返答します。
- カスタマーサポート
メール・電話・チャットなどを利用し、窓口に寄せられた問い合わせに返信します。問い合わせに対して24時間以内に一次対応を行うほか、一定期間運用したのちユーザー動向を分析し必要に応じてコアタイムをシフトして対応することが可能です。それによってコストの削減につながる場合もあります。
- リプライマーケティング
リプライマーケティングとはSNSに投稿されたSNSユーザーのメッセージに対して、自社サービス紹介の返信を個別送付するマーケティング手法です。システムによるクロールと人的な精査を併用し、返信を作成します。リプライマーケティングはSNS上で潜在顧客を見つけ出すために効果的な手法です。
4. まとめ
日本でも成長が期待されるシェアリングエコノミー市場で、大手企業が事業を立ち上げするケースが増えてきました。ただユーザー同士が関わる事業であるために、サービスを着実に成長させる、安全安心な体制作りを怠っては危険です。
ガイアックスグループでは、シェアリングエコノミーの安全性を担保するサポートサービスを提供することで、シェアリングエコノミー業界の発展に貢献しています。