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子育て支援は国や自治体にとって喫緊の課題です。子育てを支援する政策はすでに様々なものが行われていますが、迅速に対応できないことや、そもそも対応が難しい事例があることも事実です。そこで、いくつかの自治体では子育て支援を行うシェアビジネスを展開する企業と連携し、実証実験を行ったりサービス利用に助成金を利用できるようにしたりといった取り組みで住民の子育てをサポートしています。今回は、その具体的な施策の内容をご紹介します。

※編集部注:

2018年12月13日に加筆修正しました。

目次

  1. 拡大する子育て支援シェアリングビジネス
    ・市場規模について
    ・佐賀県で実証実験も
    ・NPO法人で支援する取り組みも
  2. ・AzMama
    ・キッズライン
    ・その他の子育て支援シェアリングサービス
  3. まとめ

1.拡大する子育て支援シェアリングビジネス

市場規模について

2018年7月、内閣府が「シェアリング・エコノミー等新分野の経済活動の計測に関する調査研究報告書概要」を発表しました。この調査では、日本のシェアビジネスを5つの分野に分けています。その中でも注目に値するのが「スキル・時間」のシェアビジネスです。労働人口の減少、女性の出産や育児によるキャリアの分断が問題となっていますが、シェアビジネスの発展により個人のスキルや時間を売買できるようになったことで、これらの問題を解決し、また新しい働き方を叶えうる方法としても注目されています。

「スキル・時間」のシェアビジネスは2016年時点で150〜250億円の生産額規模があるとされていますが、シェアビジネスは全体的に今後も成長していくと推測されているので、「スキル・時間」のシェアビジネスもいっそう生産額規模を伸ばしていくのではないでしょうか。

さらに、シェアビジネスの発展に伴い、子育ての分野にもシェアビジネスが進出するようになりました。これにより、少子化対策や女性の社会進出をサポートするためのサービスが拡充されることが期待されます。

実際、子どもの送迎や託児などを地域の人に頼めるアプリAzMamaは利用者数が5万人を突破、ベビーシッターのマッチングサービスキッズライン全国42都市に2,000人のベビーシッターが登録しています。また、家事代行などのちょっとした頼みごとを近所の人に解決してもらえるサービスAnytimesは2015年の時点で1万7,000人を突破しています。

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佐賀県で実証実験も

シェアビジネスによる子育て支援を公的に支援する取り組みを行おうとしている自治体があります。

佐賀県では佐賀市、多久市、神埼市、西松浦郡有田町、杵島郡江北町の5つの自治体をモデル地区に選び、この自治体の子育て世代に対して上記に取り上げた子育てシェアビジネスのAsMama、キッズライン、Anytimesに関する説明会を開き、住民のユーザー登録への支援を行います。

また、長崎県島原市も、2018年7月よりAsMamaの導入を目的とした実証実験をスタートさせました。

子育て支援、特に託児や送り迎えに特化したサービスでは、AsMamaが自治体と連携するスピードが速く、すでにいくつかの自治体では公的なバックアップのもと連携が行われています。AsMamaの取り組みやねらいについては、以下に詳しく説明します。

NPO法人で支援する取り組みも

神戸市のNPO法人「ママの働き方応援隊」で運営する親子カフェでは、スタッフが都合のつく時間に交代で調理や接客に従事しています。スタッフはいずれも乳幼児を抱えた母親で、子どもの病気や行事などの場合もお互いにサポートし合いながら働いているということです。ときには子どもをおんぶしながら働いたり、どうしても都合のつかない場合は休店にしたりと、できる範囲で無理なく働けるスタイルを目指しています。

また、三重県のNPO法人「マザーズライフサポーター」では、未就学児を子育て中の母親を対象に農業のワークシェアに取り組んでいます。これは熊本県の支援のもと、母親たちが作業担当と託児担当に分かれて農家の仕事を行うというもの。雇用農家は農繁期の労働力を確保することができ、参加した母親は短時間の労働ができてリフレッシュにつながると好評です。

このように民間や自治体だけでなくNPO法人でも、ワークシェアによる子育て支援への取り組みが広がっています。

 

2.子育て支援の2大シェアリングサービス

AsMama

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http://asmama.jp/

AsMamaは子育て支援を必要としている子育て世代と、子育てをサポートしたい地域の人をマッチングするサービスです。サポートする側のメンバーは「ママサポ」と呼ばれおり、子育て経験者や元保育士などが多くの割合を占めています。

ママサポが行う子育て支援は、ベビーシッターや保育所への送迎にとどまりません。地域の子育てイベントの広報や地域交流会のスタッフなど、ママサポが持つ様々なスキルを活かして子育てを支援できるのが大きな特徴です。

このサービスを創業したのは、甲田恵子社長が自らの子育てを振り返り、「困った時に近所の知り合いを頼りたかった」「頼れてハッピー頼られてハッピーという人たちが出会える場や頼り合える仕組みがあれば」と思い、地域共助のシステム作りをしようと考えたことがきっかけだそうです。

AsMamaは先に取り上げた佐賀県の市や町以外にも、奈良県生駒市秋田県湯沢市滋賀県大津市と連携し、これらの自治体の子育てサポートに取り組んでいます。AsMamを通して子どもを預けてもらうことで、親世代が孤立しないようにすることが大きな狙いです。また、自治体が抱える保育園の整備が追いつかないなどの問題を解決できる可能性もあり、自治体側にも大きなメリットがあります。

日本では、子どもを知らない人に預けることや自宅に知らない人を招き入れることへの根強い抵抗感があり、ベビーシッターの利用率が依然として低い状態にあります。そのため、甲田社長は機械的にマッチングするのではなく、リアルな交流を通して利用者とママサポが知り合い、安心感を得ることが大切だと考えています。AsMamaのサービスにイベントや地域交流会があるのはそのためです。現役子育て世代を支援することにより、少子化問題を解決する一助になれるのか、注目が集まっています。

キッズライン

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https://kidsline.me/

キッズラインは、ベビーシッターとそれを利用したい親をマッチングするサービスです。マーケティング会社トレンダーズの経営経験などで著名な経沢香保子社長が、育児の負担が母親だけに重くのしかかっている現状を解決し、一人で抱え込まずに楽しく育児をしてほしいとのいう願いと、アメリカのように気軽にベビーシッターを頼めるようになればとの思いで創業しました。

キッズラインは当日や明日の予約、また病児・病後児を託児することもできるなど、忙しい子育て世帯のニーズに幅広く対応しているところが特徴といえます。また、日本では依然として富裕層向けのサービスというイメージの強いベビーシッターですが、キッズラインでは1時間1000円からという手頃な価格で利用が可能です。

さらに、キッズラインは自治体との連携も積極的に行っています。現在連携を行っている自治体は、調布市・渋谷区・品川区・千代田区・福岡市です。

調布市ではベビーシッター代の一部に、渋谷区・千代田区では病児・病後児のベビーシッターの代の一部に品川区・福岡市では産後ヘルパー・産後ケアシッター代の一部にそれぞれ助成金が使えるようになり、気軽にベビーシッターを利用できる環境が金銭面から整えられつつあります。

また、キッズラインはただ単に託児や病児保育を請け負うだけのサービではありません。共働きの親にとって、子どもの夏休みは親の目の届かない時間が増えることもあり、大変な時期です。そこで、キッズラインではご飯の作り置きや子どもの夏休みの宿題を監督するサービスも提供しています。このサービスは夏季限定ではないので、一年を通して忙しい時や自分の時間を確保したい時に利用し、効率的でゆとりのある暮らしを実現できます。

その他の子育て支援シェアリングサービス

CRADLE

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https://cradle.koalaclub.net/

フリーのベビーシッターと個人のユーザーをマッチングするサービスです。保育料からマージンを取るのではなく、紹介するごとに紹介手数料を支払うという独自のシステムを採用しています。そのため、一般的なベビーシッターよりも保育料が安いのが特徴です。マッチングしたシッターとは直接契約を結ぶので、細かい条件や料金の交渉ができたり、急な依頼やキャンセルがしやすかったりというメリットがある反面、トラブル時は自分たちで解決しなければならないという注意点もあります。

Comorinet

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https://www.comorinet.com/

CRADLEの運営元が展開するベビーシッターとキッズシッターのマッチングサービスです。サービス内容はCRADLE と同じくベビーシッターと個人の直接契約をサポートするというもので、紹介手数料を支払うことで利用することができます。長年CRADLEの運営で培ったノウハウをもとに、認証マークや独自の評価システムなどを用意し、安全性と利便性を追求しているということです。直接契約なので、お互いが同意さえすれば保育の時間や場所を柔軟に対応することが可能です。

Imom

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http://imom.jp/contents/top/index.html

個人のベビーシッターとユーザーを結ぶマッチングサイトです。ベビーシッターと直接契約が成立した時にのみ、サイト利用料を支払うというシステムになっています。サイト利用料は3000円(単発依頼の場合1000円)と低価格で、単発の保育や、複数のベビーシッターと契約するといった使い方が可能です。また、保育をお願いしたいユーザーが書き込める「ベビーシッター募集掲示板」が用意されており、ベビーシッターは自分の条件に合った仕事を探しやすいのが特徴です。

Omni sitter

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https://www.omni-sitter.com/

名古屋近郊エリアのベビーシッターマッチングサービスです。システム利用料が保育料の10%かかりますが、登録費や年会費は無料、保育料は30分600円からと使いやすい価格に抑えられています。保育対象年齢は1歳から12歳までで、オプション料金を払えば英語保育や簡単な家事などを頼むことも可能です。ベビーシッターとの直接契約は必要なく、料金のやりとりもサイトを介して行います。登録しているベビーシッターはすべて対面での面接と研修を実施、サイトではレビューも見られるなど安心感を前面に押し出しています。

ケアファインダー

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https://www.carefinder.jp/ja

個人間のベビーシッターマッチングサイトですが、外国人やバイリンガルなど国際色豊かなベビーシッターを擁しているのが特徴です。サイト上では英語、日本語、フランス語、ドイツ語、中国語といった外国語を話せるベビーシッターを検索することができます。利用するには月額2980円のプレミアム会員か、4980円で30日間のみの短期会員に入会する必要があり、保育料は時間あたり1500円から2000円ほどです。ベビーシッターによっては英語やフランス語のレッスンを行うこともでき、訪日旅行客にも利用されています。

キズナシッター

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https://sitter.kidsna.com/

登録しているベビーシッターは100%が保育士、幼稚園教諭、看護師の有資格者というベビーシッターマッチングサービスです。モンテッソーリやシュタイナーなどの幼児教育に精通しているベビーシッターもいるなど、自宅保育をしながら幼稚園のような教育をしてもらいたいというニーズにマッチしています。入会費と年会費は無料で、保育料金は1時間1600円から。サービス手数料として保育料の20%がかかります。0歳の新生児からの保育にも対応しており、定期利用だけでなく一時利用も可能です。ベビーシッターの検索や予約、決済はスマートフォンアプリから行うことができます。

 

3.まとめ

時代の変化に伴い、子育て世代が必要とするサポートは次々と変化し、また多岐にわたります。そこで、シェアビジネスの柔軟性が求められているのではないでしょうか。また、子育て支援という公共性の高いビジネスでは、いかにサービスを維持し続けられるかも課題となります。今回取り上げた企業がどのように収益性と公共性を両立させていくのかもポイントとなるでしょう。今後は、シェアビジネスが子育て分野にどのように浸透し、当たり前のようにある選択肢の一つとなるとよいですね。

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