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近年、AIやロボット技術の発達スピードは目覚ましいものがあります。家庭の掃除にロボット掃除機が使われることも珍しいことではなくなりました。

仕事の効率化やスピードアップがもてはやされる一方で、ロボットによって雇用が奪われるのではないか、失業者が増えたり収入が減少したりするのではないか、といった懸念もあるようです。

今回の記事ではロボットのシェアリングについての導入事例と、今後のロボットとシェアリングエコノミーの展開について解説します。

目次

  1. ロボットとシェアエコの共存とは
    ・ロボット家電のシェア
    ・物流業界でのシェア
    ・マーケティングに忠実に
  2. 今後の展望について
    ・ロボットに労働は奪われるのか
    ・今後のビジネスの方向性とは
  3.  まとめ

1.ロボットとシェアエコの共存とは

ロボット家電のシェア

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引用:https://ipd.co.jp/info/news_files/250_tmp_290.pdf

伊藤忠都市開発と宅配ボックス開発のフルタイムシステムは、賃貸マンションの入居者全員が掃除用ロボットをシェアできるサービスを試験的に開始しました

今回選定されたのは部屋のごみを吸引する掃除ロボットと、センサーで汚れを拭き取る窓拭きロボットの2種類です。

今回の取り組みの背景には、掃除用ロボットのような「買うには経済的な負担が大きいもの」「あると便利だが頻繁には使わないもの」は、購入せずに共有したいというニーズの高まりがあります。また、単身者向きの賃貸マンションは収納が少ないという点も入居者の不満につながっていました。

そこで掃除用ロボットをシェアできるようにすることで、家計の節約や収納効率の向上につなげ、マンションの付加価値を高めるのが狙いです。

ロボットの貸し出しと返却にはマンションのエントランスにある宅配ボックスを利用します。利用状況は各住戸の非接触キーと連動しているため、管理担当者も不要です。入居者は空き状況をスマートフォンで確認することが可能で、手軽に掃除用ロボットを使うことができます。

物流業界でのシェア

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引用元:https://www.daiwahouse.com/about/release/house/20180418094729.html

物流業界でも、ロボットのシェアリングエコノミーが導入され始めています。

大和ハウス工業では、新しい物流モデルとして「Intelligent Logistics Center PROTO(インテリジェント・ロジスティクス・センター・プロト)」を発表しました。

ここでは、複数の荷主企業がひとつの物流施設を共同で利用することができるシェアリングモデルが採用されています。

物流サービスを利用した分だけ料金を支払う従量課金制となっており、スペースや作業員、設備、システムを共用することで初期投資コストの削減をすることができます。まずはファッションレンタルを手がけるエアークローゼットなど3社が荷主となり、取り扱う商品の配送に利用されるということです。

大和ハウス工業はすでに、自動搬送ロボット「Butler®(バトラー)」の独占販売権を保有するGROUND株式会社や、クラウド型配車・運行管理システム「MOVO(ムーボ)」を開発した株式会社Hacobuと資本業務提携を締結しており、これらの先端テクノロジーを導入して物流施設のさらなる高機能、高効率化を目指しています。

倉庫や運輸の分野では企業向け、一般向けともにシェアリングエコノミーが広く展開されており、物流倉庫と荷主をマッチングするsoucoアイロジ、荷主と運送会社をマッチングするハコベルMOVOなど、新しいサービスが続々リリースされています。

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2.今後の展望について

ロボットに労働は奪われるのか

AIやロボットが発達することにより人間の労働が奪われてしまうのではないか、といった議論はすでにたびたび起こっています。

2013年には、英オックスフォード大学のマイケル・A・オズボーン准教授らの論文「THE FUTURE OF EMPLOYMENT:HOW SUSCEPTIBLE ARE JOBS TO COMPUTERISATION? 」の中で「労働人口の47%がコンピューター化される」、つまり自動化された結果労働者が失業してしまう、と記述され注目を集めました。

アマゾンのジェフ・ベゾスCEOは、「倉庫労働者を1日24キロも歩かせる」「まるでロボットのように労働者を扱っている」などと批判され、2014年に世界最悪の経営者として批判を浴びましたが、もしも労働のロボット化が進めば倉庫で働く人たちは失業してしまうかもしれません。

しかし、実際はコンピュータの登場によりコーディング、インフラ、保守作業などの新しい作業も必要となっています。自動化される職業がある一方で、新たな作業や雇用も生まれているのです。

OCEDによるレポート「Automation and Independent Work in a Digital Economy」では、タスクが自動化されることに対してコンピューターやデジタルについての訓練が必要であるとしています。

技術の進歩にともなってロボット化していく流れはこれからも加速していくと考えられます。今後はロボットやシステムについての教育や訓練がますます重要になっていきそうです。

今後のビジネスの方向性とは

今後の世界的なトレンドとして、AIやロボットの普及で在庫コストや物流コストなどが大幅に削減されていくといわれています。

これは持ち物を最小限に抑える「ミニマリスト」という概念の流行にも表れています。日本でも流行したミニマリストは実は一過性の流行ではなく、今後の世界経済の基本理念といっても過言ではありません。スマートフォンやクラウドソーシングの発達により取引コストが大幅に下がったため、物を所有よりも共有する、シェアリングエコノミーが当たり前になりつつあるのです。

すでに車や自転車、空きスペース、宿泊場所のシェアリングはビジネスとして展開されるようになってきました。これからは料理や観光、スポーツ、音楽などの体験や経験、知識に価値が見出されるようになり、それらをシェアリングする動きがより進んでいくとみられています。実際、農業体験や日本の文化体験は訪日外国人からも人気のコンテンツとなっています。

AIやロボットの介入で人間の労働力は減少していくかもしれませんが、それに代わって自分の経験や得意なことで収入を得る人が増えるとともに、人や物のシェアリングエコノミーを活用することでコストを下げながら生活水準を下げないような社会インフラを構築していくことも可能なのではないでしょうか。

 

3.まとめ

日本では少子高齢化による人口減少が予想されており、労働力のロボット化は歓迎されるべきものでしょう。シェアリングすることによってさらにコストを抑えることができ、個人や小規模の企業でもさまざまなビジネスやサービスを展開することが可能となりました。

物流分野では慢性的な人手不足も問題になっているため、ロボットの活用はますます進んでいくと思われます。人間がデジタル化へ対応することが必要ではあるものの、今後もあらゆる業界でロボットとシェアリングエコノミーの導入が注目されるでしょう。

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