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パソナJOB HUBとAirbnb Japanとの業務提携は、都市部のフリーランス・複業希望者を支援しつつ、地方課題解決に貢献する新たな試みといえます。この提携により、地方移住をすることなく都市部のスペシャリストが地方と関わるために必要な「仕事」と同地域での「滞在先」の情報をワンストップで提供するプラットフォームJOB HUB TRAVELが誕生しました。本記事では、「旅をするようにはたらく」という新たなスタイルを提案し、働き方改革と関係人口創出の推進に有用なこのシステムについて解説します。ぜひこれからの企業のあり方、事業展開のヒントにしてください。

目次

  1. 業務提携について
    ・どのような取り組みなのか
    ・各提携企業の狙いとは
  2. シェアエコを活用した地方での新しい働き方や旅のあり方
  3. まとめ

1.業務提携について

どのような取り組みなのか

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https://jobhub.co.jp/lp/travel/

2019年4月、株式会社パソナJOB HUBとAirbnb Japan株式会社は、「JOB HUB TRAVEL」において業務提携することを発表しました。この「JOB HUB TRAVEL」は、パソナJOB HUBが提供する「人と企業」「都市部と地方」をつなぐマッチングプラットフォームです。都市部居住のフリーランスや複業希望者などの人材と、地域課題解決に取り組む地方の中小企業・団体の双方を支援しようと2019年3月に立ち上げられました。

観光や転職・移住を目的としたマッチングとは異なり、地方の企業が都市部の人材を一時的に受け入れるには、滞在先の確保が大きな障壁になることが多々あります。しかし今回、世界最大級の旅行コミュニティプラットフォームを提供するAirbnb Japanが協働することで、この問題が解決されました。JOB HUB TRAVELのWebサイト上で都市部の人材(JOB HUB TRAVELER)に地方での仕事と、仕事に紐づく滞在先の情報をワンストップで提供することが可能になったのです。この取り組みを通じて、シェアリングエコノミーを活用した新たな就業形態や旅行スタイルの提案と、地方の人材不足解消を目指すタレントシェアサービスが誕生したといえるでしょう。

利用方法は次の通りです。

①地域の魅力や事業ビジョンに共感して地方(旅先)で働きたいと人材は、JOB HUB TRAVELのWebサイトにアクセス

②JOB LISTからさまざまな地方で頑張る企業の事業概要や業務内容を検索し、企業紹介とともに近隣の宿泊施設情報も確認

③企業の業務にエントリ―

④面談で合意にいたれば、JOB HUB TRAVEL上で業務委託契約を締結

⑤契約を締結したら、Webを介しての業務はもちろん、現地で企業の課題解決を目指して業務を行なう

仕事の応募はJOB HUB、宿泊施設の予約はAirbnbのサイトへ遷移するので、それぞれのサイトで登録が必要です。また、契約締結や報酬の支払いといった事務手続きの一切はJOB HUB TRAVEL上で行ううえ、宿泊施設は受け入れ体制や設備を考慮してパソナJOB HUBが認定したものになっているため、安心して地方に赴くことができる仕組みになっています。

各提携企業の狙いとは

時間や場所にとらわれないライフスタイルや働き方をバックアップすべく設立された、パソナJOB HUB。今回の取り組みでは、仕事×旅という組み合わせから新たな価値を創出し、提供したいとしています。旅をしながら働ける環境を整えることで、都市部に集中しがちな人材が全国に赴いて働きやすくなる一方で、ホストとなる地方が新たな才能を受けて地域課題解決を実現する。パソナJOB HUBは、このような地方創生と新しい働き方の創出を目指しています

対してAirbnb Japanは、日本国内のAirbnbビジネスプログラム に対応した物件の活用、特に地方の物件を活用することで、都市部の人材の多様な働き方の創出に挑んでいます。そして、移住による定住でも観光による交流でもなく、地域や地域の人々とさまざまな面で関わる人々、すなわち関係人口の増加に努める方針です。

今や地方は、過疎化や高齢化の進行によって地域の担い手が不足する事態に直面しています。しかし、地域によっては若者を中心とした新たな人材が関わりを強めるなど、地域外の人材にも地域の担い手となることが期待され始めました。個人が自分らしく活躍できる社会インフラの構築をミッションとするパソナJOB HUBと、誰もがどこにでも居場所を感じることができる世界の創出をミッションとするAirbnbとの業務提携。新たな地域コミュニティの形と働き方の可能性を見せてくれそうです。

 

2.シェアエコを活用した地方での新しい働き方や旅のあり方

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https://jobhub.co.jp/lp/travel/

さまざまな分野で広がりを見せるシェアリングエコノミー。今回紹介したサービスは、仕事と旅の組み合わせによって「旅をするようにはたらく、暮らすように旅をする」という新しい価値観をもたらしてくれます。時間や居住地にとらわれず、旅をする感覚で仕事をし、地域貢献や新たな出会いを楽しむことができる。「働く」ことを、より自分らしく柔軟に楽しめる選択肢が増えたといえるでしょう。

また、都市部と地方をつなぐスキルのシェアリングエコノミーサービスは他にもあります。たとえば、株式会社groovesが提供する地域貢献副業プラットフォームのSkillShiftです。こちらもスキルのシェアを通して都市部の人材と地方を結んでいますが、旅ではなく副業とすることで働くハードルを下げています。登録者の目的は、自身のキャリアアップと日々の仕事や暮らしに刺激が欲しいというのが多いそう。副業を始めるきっかけが、金銭を稼ぐ目的から社会貢献や知的好奇心を満たしたいなどという想いに変わってきているのがうかがえます。

働き方やライフスタイルの多様化が進むなかで、自然な形で旅が暮らしの一部になり、仕事が旅の一部になる。地方に観光やグルメを楽しみに赴くのでも定住でもなく、地域の人々とコミュニケーションを取りながら協働し、地域の魅力を満喫して貢献もするような形が、これからの働き方・旅のあり方になるのかもしれません。そしてこのシェアリングエコノミーを活用したスタイルが、人材の都市部集中を緩和し、多くの地方を支えると期待されています。

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3.まとめ

今までは業務内容に加え一時滞在先の情報を調べて確保するという負担が非常に大きく、都市部の人材と地方の企業とのマッチング実現はなかなか難しい状況でした。しかし今回ご紹介したパソナJOB HUBとAirbnb Japanの業務提携は、この状況を打破するものであると言っても過言ではありません。シェアリングエコノミー事業者同士のコラボレーションが、都市部の人材が「移住することなく旅行感覚で地方に赴き働ける」ことを可能にしたのです。こうした試みは、従来の働き方や旅のあり方に新たな価値観を与え、地域課題解決に役立ってくれることでしょう。

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