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3月22日、渋谷区観光協会シェアリングエコノミー協会は連携協定を結び、「多様な遊び方のできる街シブヤ」の確立を目指していくことを発表しました。

具体的な取り組み内容として、「PLAY! SHARE SHIBUYA」ページの開設や専用MAPの制作・配布、FMラジオやイベントでのPRなどを計画しています。また、取り組み第一弾として「PLAY!SHARE SHIBUYA 2019GWの10連休はシブヤで遊びつくそう!」と題したイベントの企画を進行中です。

今後、両協会は積極的にシェアサービスを活用し、魅力的なまちづくりに尽力するとしています。この記事では今回の連携協定が目指すものや協定に賛同したシェアサービス事業者、今後シェアリングエコノミーが担う役割について説明します。

目次

  1. 連携協定について
    ・どのような取り組みなのか
    ・具体的な取り組み内容
  2. 「PLAY!SHARE SHIBUYA 2019GWの10連休はシブヤで遊びつくそう!」について
  3. 今後に向けて
  4. まとめ

1.連携協定について

どのような取り組みなのか

https://sharing-economy.jp/ja/news/0322/

官民協働による観光事業の振興を通して「国際文化観光都市シブヤ」の実現を目指す渋谷区観光協会と、遊休資産をシェアすることで日本の活性化を目指すシェアリングエコノミー協会が連携協定を結びました。3月22日に実現した連携協定は、渋谷区に訪れる来街者にさまざまなシェア体験を提供することを目的としています。2020年東京オリンピックパラリンピック開催を契機に捉え、「多様な遊び方のできる街シブヤ」、「国際文化観光都市シブヤ」を目指していくことを発表しました。

今後、渋谷区観光協会とシェアリングエコノミー協会は、「PLAY! SHARE SHIBUYA」を合言葉に、渋谷に関係するさまざまなスペースやモノ、ヒト、スキルを新たな観光資源としてシェアしていきたい考えです。渋谷区内のユニークスペースや商店街など、渋谷に関係するあらゆるモノをシェアすることで、これまでの観光サービスとは違う新しい体験を提供しようとしています。

また、今回の連携協定締結に際し、「PLAY! SHARE SHIBUYA」に参加するシェアサービス事業者も発表されました。第一弾の参画企業にはAirbnb Japan株式会社株式会社スペースマーケットといった広く認知されているシェアリングサービスを提供している事業者を含め、合計13社が名を連ねました。だれかの暮らしをシェアして新しい観光体験にする「TABICA」(株式会社ガイアックス)や傘シェアによって傘を持ち歩かない生活を提供する「アイカサ」(株式会社Nature Innovation Group)、屋上遊休スペースをシェアしてBBQ場に変える「REAL BBQ PARK」(REALBBQ株式会社)など、バラエティ豊かな資源をシェアするサービスが今回の連携協定に賛同しています。今後、シェアビジネスは連携協定を軸にしてさらなる広がりを見せていくことでしょう。

具体的な取り組み内容

https://sharing-economy.jp/ja/news/0322/

今回の連携協定を結ぶにあたり、「2020年に向けた渋谷区観光協会との連携協定 記者会見」が行われました。2019年3月22日13:00より行われた記者会見には、平井卓也内閣府特命担当大臣、三輪昭尚 政府CIO、渋谷区観光協会代表理事 金山氏、シェアリングエコノミー協会 上田祐司代表理事ほか、「PLAY! SHARE SHIBUYA」に参画予定のシェア事業者が参加しました。

具体的な取り組みとしては以下が挙げられています。

①「PLAY! SHARE SHIBUYA」ページの開設

②渋谷区「PLAY! SHARE SHIBUYA」MAPの制作・配布

③渋谷のコミュニティFM「渋谷のラジオ」で「PLAY! SHARE SHIBUYA」で展開するシェアサービス紹介

④渋谷区内各種イベントで「PLAY! SHARE SHIBUYA」をPR 等

この度の連携協定による取り組みの第一弾として、「PLAY! SHARE SHIBUYA 2019GWの10連休はシブヤで遊びつくそう!」企画の実施を予定しています。詳細は随時発表。

さらに、記者会見の中では内閣府 IT政策担当大臣 平井卓也氏から「2020年の東京オリンピックパラリンピックを一つの契機にして、シェアリングエコノミーが社会に根付くように期待している」という言葉もありました。1964年の東京五輪では、宿泊施設不足によって約280軒の個人宅が約600名の外国人旅行者を受け入れたと言われています。2020年の東京オリンピックパラリンピックもまた、シェアリングエコノミーが広く活用される新たな機会となるでしょう。

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2.「PLAY!SHARE SHIBUYA 2019GWの10連休はシブヤで遊びつくそう!」について

https://sharing-economy.jp/ja/news/0322/

天皇即位によって今年のゴールデンウィークは10連休となりました。いよいよ突入間近というタイミングで、連携協定第一弾となるイベントの企画も進行しています。「PLAY!SHARE SHIBUYA 2019GWの10連休はシブヤで遊びつくそう!」と題するイベントは、渋谷の街を中心にシェアリングエコノミーが浸透していく足がかりとなるでしょう。

イベントへの参加が予想される連携協定への参画事業者は、それぞれに時間、スペース、モノなど、多様なシェアサービスを提供しています。イベントで提供されるサービスとしてはレストランスペースをシェアする「軒先レストラン」による出店や、雨の日に傘を持って出掛けなくてもいい「アイカサ」、ランニング体験をシェアする「Runtrip」による運動系プログラムの実施などが予想されます。複数のシェアサービスがコラボレーションし、新たな価値を生み出すことで、多くの注目を集める機会となることが期待できるでしょう。

 

3.今後に向けて

https://luup.sc/

連携協定の参画企業の一社、株式会社Luupはeスクーターのシェアサービスを提供しています。eスクーターの特徴は、電動で動き、こぐ必要がないという点です。身軽で、疲れを感じることのない移動手段をシェアするサービスは、今後多くの観光客が日本を訪れる東京オリンピックパラリンピックの際にも人々に求められることでしょう。ただし、安全面の担保のあり方や、公道走行には課題が残されています。

また、内閣官房 情報通信技術(IT)総合戦略室作成のシェアリングエコノミー活用事例集(平成30年度版)によると、2018年度は「空間」と「スキル」がシェアリングエコノミー全体の約9割を占めたというデータがあります。なかでも、全体の42%を占めた「空間」のシェアでは、駐車場が最も大きな割合を構成しました。

一方、全体の47%にのぼった「スキル」のシェアにおいてはクラウドソーシングが最も活用されました。さらに全体の傾向として、都市部から地方への広がりを見せたことも言及されています。

今後訪れる2019年ラグビーワールドカップや2020年東京オリンピックパラリンピックといった大規模イベント時には、需要と供給の一時的ミスマッチを解消する手段として、より一層シェアリングエコノミーの活用増加が見込まれています。

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4.まとめ

シェアリングエコノミー活用事例集(平成30年度版)にはシェアリングエコノミーの活用事例に加えて認知度の低さが課題だという記述もあります。これは前年度から継続して課題とされていることであり、単独の市町村や団体が浸透を図るだけでは改善することが難しい状況があると言えるでしょう。

今回の渋谷区観光協会とシェアリングエコノミー協会の連携協定は、このような課題を解決する糸口になるものであり、シェアリングエコノミーを取り巻く環境を変える可能性を持つものです。来たる2020年東京オリンピックパラリンピックにおいて、シェアリングサービスが多くの外国人観光客を受け入れる日本を支える存在になるか否かは、今回の連携協定が示す価値にかかっているかもしれません。

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