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近年新たなサービスが次々と提供されているシェアリングサービスの中で、高い利便性に注目が集まっているのがパーキングシェアリングサービスです。スタートアップから大企業まで様々な企業が駐車場シェアに参画し、便利で豊かなカーライフをサポートしています。さらに、最近では駅やスタジアムを運営する会社や公社が駐車場のシェアリングサービスを提供する会社と提携し、駐車スペースの確保や周辺の混雑解消を促そうとする動きがあります。

今回は、パーキングシェアリングサービスと提携の動き、駐車場シェアの可能性についてご紹介します。

※編集部注

2019年1月24日に加筆修正しました。

目次

  1. ソフトバンクの駐車場シェアリングサービスとは
    ・「時間単位」と「1日単位」での予約が可能
    ・リアルタイムで空き状況把握、利用可能
    ・シェアサイクルのHELLO CYCLINGとも協業
  2. 徐々に拡大する駐車場シェアリングサービス
    ・akippa

    ・nokisaki PARKING(軒先パーキング)
    ・B-Times
    ・toppi!
  3. まとめ

1.ソフトバンクの駐車場シェアリングサービスとは

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https://www.parking.bluu.jp/

ソフトバンク株式会社は、個人や企業が所有する駐車場や空きスペースをドライバーに貸し出すパーキングシェアリングサービス「BLUU Smart Parking(ブルースマートパーキング)」を2018年10月下旬から開始します。8月20日をめどに、ベータ版のトライアルをiOSの無料アプリで提供開始、Andoroid版アプリにも今後対応の予定です。ソフトバンクのIoTプラットフォームを活用、駐車スペースにカメラセンサーシステムを設置して車両を検知、入出庫の確認から料金精算まで行うことができます。

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「時間単位」と「1日単位」での予約が可能

駐車場は1分単位で指定できる「時間単位」と「1日単位」の予約が可能です。アプリの地図上から空いている駐車場を選択し、利用時間を入力すると予約が確定します。利用者は駐車場検索から予約、料金の支払いまでアプリで完結することができます。予約した時間よりも早く利用を終了する場合は利用した時間分の決済もアプリ上で行うことが可能です。

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リアルタイムで空き状況把握、事前の予約なしで利用可能

BLUU Smart Parkingでは駐車スペース1台分に車両のナンバープレートを認識する独自のカメラセンサーを設置します。センサーは駐車された車のナンバープレートを読み取り、予約した情報と照合することができます。

パーキングに設置されたカメラセンサーは、駐車場業界初(2018年7月現在 シー・ティ・マシン調べ)となる、ディープラーニングなどのAI技術を利用した画像処理によって車両の検知や、ナンバープレートの認証を行います

LTE通信方式を搭載し、ソフトバンクのIoTプラットフォームとのデータ通信まで行います。また、小型の磁気センサーも開発中で、こちらはカメラセンサーを設置するスペースのない個人のスペース向けなどを想定しています。

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ソフトバンクによると、従来のコインパーキングのセンサーは数十万ほど費用がかかりますが、同社のカメラセンサーの場合、3割から半額ほどコストが抑えられるということです。さらにこれまでは精算機やロック版などの設備投資も必要でしたが、このセンサーを利用することで、駐車場のオーナーは初期投資額、運営費を低く抑えることができます。

駐車料金はアプリでの支払いが可能なため、利用者は煩雑な支払いの流れが不要となり利便性の高いパーキングシェアサービスが実現されるでしょう。ドライバーはスマートフォンのアプリから駐車場を検索、空き状況をリアルタイムで確認できます。空き状況を確認し予約・決済までその場で行うことができます。ソフトバンクでは関東圏を中心に2018年8月からベータトライアル版を実施、全国で展開を予定しています。

また、ソフトバンクが提供しているYahoo!カーナビとの連携にも対応し、カーナビアプリが予約した駐車場までの道案内をしてくれます。2018年内にはYahoo!カーナビからも直接駐車場の予約ができるようになるということです。

さらに、2018年10月にはトライアルが開始され、実際にBLUU Smart Parkingを利用できるようになりました。このトライアルには、日本パーキング株式会社、大和ハウスパーキング株式会社など駐車場サービスを提供する27社が参加し、東京都・神奈川県・千葉県の一部エリアで行われます。限られた地域ではありますが、BLUU Smart Parkingの利便性を実際に体験することができます。

シェアサイクルのHELLO CYCLINGとも協業

ソフトバンクは同社が提供するHELLO CYCLING との協業も発表しています。HELLO CYCLINGは2016年にサービスをスタート、全国85の市区町村、駐輪ステーションは1100か所展開しています。パーキングシェアの近くにステーションがあれば、最終目的地まで少し距離がある場合や、現地の移動手段として自転車を活用することができます。また双方の利用データをもとに、遊休土地の価値・需要や最適な活用方法を分析、可視化するサービス「Open Space Platform」も提供開始していくということです。

 

2.徐々に拡大する駐車場シェアリングサービス

不動産やカーシェアなど、ここ数年で駐車場シェアリングビジネスに参入する企業が増え、市場規模は拡大しています。ここでは主な駐車場シェアリングサービスとその特徴、料金などをご紹介します。

akippa

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https://www.akippa.com/

akippa株式会社が提供する駐車スペース不足の問題を解決するパーキングシェアシステムです。スマートフォンやPCを使って駐車場を貸す「オーナー」と借りる「ユーザー」をマッチング、個人間で駐車場の貸し借りができます。駐車場を利用したい人は事前に駐車場を探し予約、支払いまで行います。利用料金は1日単位となり、一部例外を除いて予約日内であれば自由に車両の出し入れも可能です。利用者は登録料や年会費などは一切不要。システム利用料として駐車場利用料金の50%(税別)がスペースオーナーの収益となります。

さらに、2018年11月から会員向けサービスとして有料プランの提供を開始しました。これにより、有料プランユーザーは通常ユーザーよりも1~3時間早く駐車場を予約できるようになります。スポーツの試合やコンサートが行われる会場周辺など、駐車場の需要が急速に高まり、駐車スペースを確保しづらい状況の際には便利なオプションです。

一見、このプランのスタートによりakippaがマネタイズ施策を始めたように見えるかもしれませんが、実はそうではありません。このオプションを申し込んだユーザーにはakippaから月額換算料金の300円分のクーポンが配布されますので、ユーザーは実質無料で有料プランを利用できます。さらに、akippaにはその分の儲けも入りません。では、なぜこのような施策を行うのかというと、休日など限られた状況のみakippaを利用するユーザーが多いので、彼らに先行予約というメリットを提示してプラン加入を促し、クーポンを配布することでakippaの利用促進につなげるのが目的であるとのことです。

世界初のチェーンゲート式駐車場の貸し出しを開始

2018年12月には、株式会社アートと共同開発したゲート式駐車場コントロールシステム「シェアゲート」を活用して、無人でのチェーンゲート式駐車場の貸し出しを開始しました。これはゲート式駐車場に続く貸し出しになります。

マンションなどによく見られる出入り口がチェーンで仕切られている駐車場は、通常居住者や月極利用者しか開閉できません。また、開錠のためにはゲートの入場用定期カードやリモコンが必要となることから、一時利用については駐車場事業者、利用者双方にとってセキュリティや事前予約が課題でした。そのためakippaは個人宅の空き駐車場など、出入り口にゲートのない駐車場を中心にサービスを展開してきました。

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チェーン式駐車場

しかし、IoT×シェアリングエコノミーで実現した「シェアゲート」により、一時的な鍵の共同利用が可能になりました。駐車場事業者は専用端末をゲート機器に取り付けます。利用者は、予約から利用時の開錠、決済までスマホ1台で完結できます。利用者の具体的な手順は以下の通りです。

手順1:ウェブやアプリで事前予約と決済

手順2:アプリから近距離無線端末Bluetoothで接続するか、akippaから事前に発行される暗証番号を入力しゲートを開錠・入庫

手順3:手順2と同様の操作にてゲートを開錠・出庫

目下開発中とされるBluetooth機能を利用すれば、将来はETCのようなゲート通過が可能となり、利用者の利便性向上も見込めます。

駐車場事業者は、ゲートがあり外部貸しができなかった駐車場を、稼働率が低い時間帯は予約駐車場として活用することで、遊休資産の収益化ができます。新たなサービスにより拠点数の増加とサービスの充実が期待されます。

nokisaki PARKING(軒先パーキング)

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https://parking.nokisaki.com/

スペースシェアサービスの軒先株式会社が展開するパーキングシェアサービス。駐車場を利用したい人は事前に駐車場を探し、予約、支払いまで行います。1日の利用料金となり、一部例外を除いて予約日内であれば自由に車両の出し入れが可能。登録料や月会費も不要で、運転免許証を持っていればだれでも簡単に登録・利用が可能。スペースのオーナーは初期費用0円で始められます。駐車場利用料金の65%が収益、35%をシステム利用料として支払うことになります。

軒先は最近、東京都府中市の府中駅南口周辺の駐車場を運営する株式会社府中駐車場管理公社、バスケットボールチーム「千葉ジェッツ」を運営する株式会社千葉ジェッツふなばしとの提携を相次いで行いました。府中駅は味の素スタジアム、千葉ジェッツは船橋アリーナと多くの人が集まる会場を擁しており、駐車場のスムーズな運営、イベントや試合の日の周辺の混雑解消などの課題を軒先との提携により解決したい考えです。

また、2019年9月のラグビーワールドカップ開幕に向け、岩手県釜石市、株式会社パソナと連携し、シェアリングエコノミーの実証実験を実施しました。イベント時の需要過多による駐車場不足の解消や違法駐車を防止し、周辺の交通渋滞を緩和することが目的です。パソナのプロジェクトマネジメントの元、釜石市は市民に対して駐車スペースを提供するよう呼びかけ、軒先は駐車場シェアリングシステムの提供と利用者への呼びかけを行いました。

IHI運搬機械と共同して、スマートゲートシステム「aQmo(アクモ)」の開発を行い、サービスの提供を開始しました。同サービスを利用することで、ゲート式駐車場や電動シャッター、チェーンゲートのある駐車場の施錠開閉が可能となります。駐車場入り口での駐車券の受け取りや、管理人による入出庫処理の煩わしさがなくなり、利用者にもメリットの多いサービスと言えます。

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B-Times

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https://btimes.jp/

B-Timesはパーク24が提供する駐車場シェアリングです。1日単位の予約、一部の駐車場を除いて利用当日は何度出し入れしても料金は変わらず、150円~/日というお得な料金設定です。

利用者は事前予約が可能で最大14日間まで借りることができます。オーナーは利用料金の60 %を提供料として得ることができます。

2018年11月からは大阪住宅供給公社と提携し内の約80団地1400台分の駐車場において、駐車場のマッチングサービスを提供しています。大阪府の団地では、来訪者向けの駐車スペースが乏しく、介護車両や来訪者の駐車が困難なことが問題となっていました。そこで、団地の空き駐車スペースをB-Timesに登録し、今までよりスムーズに利用できるようになり、来訪者や介護施設職員がストレスなく団地を訪問できるようになることを期待しています。

更に、2019年1月からはコナカグループが運営する「紳士服コナカ」と提携し、全国89店舗の駐車場にてサービスを提供します。紳士服のコナカは郊外や交通量の多い幹線道路沿い、駅前などに展開しています。このような立地を活かし、近隣の企業や住宅への訪問時のほか、スポーツ観戦やイベント、通勤時など幅広いニーズに応えられると期待されています。単に駐車場をシェアするのみならず、B-Timesから店舗駐車場を予約・利用した方向けに、コナカで使えるクーポン券を配布する相互送客の付加サービスの導入が予定されています。

toppi!

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https://www.repark-toppi.jp/

三井不動産リアルティが提供するパーキングシェアサービスです。1日単位の予約となり、一部を除いて利用当日の出し入れも可能。既存の「三井のリパーク」時間貸し・月極駐車場の一部を「toppi!」に転用することで、都心や観光地の近くなど立地条件のよい駐車スペースを確保できる点は利用者にとってもメリットが大きいと言えます。

2020年のオリンピック開催に向け、同社サービスの核となる「三井のリパーク」のインフラ設備の充実を図っています。具体的には、自治体と連携した無料インターネットのアクセスポイントの設置や駐車場利用方法の多言語表示限りある土地を活用するために料金看板と精算機を一体化するなどが挙げられます。カーシェアとパーキングシェアサービス双方の利便性を高める施策は、地域が抱える課題の解決に繋がるものと期待されています。

 

3.まとめ

大手企業の参入で各社の競争過熱も予想されるパークシェアリング市場。空いているスペースと、駐車場を利用したいユーザーをマッチングさせる駐車場シェアビジネスは、慢性的な駐車場不足解消と、遊休スペースの有効活用に大きく貢献していくことでしょう。

あらゆるモノがネットにつながるIoTはスマートフォンとの親和性が高く、スペース利用のシェアリングエコノミーの進化にも大きく影響していくと予想されます。

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