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CtoC(Consumer To Consumer)という言葉をご存知でしょうか。「個人間取引」の訳で、一般消費者同士がインターネット上で契約や決済を行い、モノやサービスを売り買いすることを指します。

もっとも一般的で身近なCtoCサービスはインターネット・オークションやスマホアプリを使った中古品の売買(フリマ)などですが、現在は様々なCtoCサービスが生まれています。企業としてCtoCサービスを運営する場合、ユーザー同士で取引してもらう「プラットフォーム」を提供するのが一般的です。

フリマアプリなど「モノ」のシェアや、クラウドソーシングに見られる「リソース」のシェア、民泊やライドシェアの「スペース」や「移動」のシェアも該当します。

本記事ではそんなシェアリングエコノミーの土台ともいえるCtoC(個人間取引)について、基本的なビジネスモデルから市場規模、メリットやデメリットをまとめてみました。

(※記事では便宜上、「買い手」と「売り手」で区別していますが、サービス内容や利用目的によって、同一ユーザーであってもそれぞれ立場が変わることも考えられます。)

目次

    1. CtoCの基本的なビジネスモデル
      買い手と売り手、プラットフォーマーの関係
      BtoB、BtoCとCtoCの違い
    2. CtoCの市場規模
    3. メリットとデメリット
    4. CtoCサービスのメリットとデメリット
      買い手と売り手にとってのメリット・デメリット
      プラットフォーマーにとってのメリット・デメリット
  • まとめ

1. CtoCの基本的なビジネスモデル

買い手と売り手、プラットフォーマーの関係

CtoCビジネスモデル

インターネットを利用して、個人間で色々なモノやサービスの取引を行うCtoCですが、ビジネスモデルは基本的には共通しています。

まず、モノやサービスを売りたいユーザーがプラットフォームに情報を入力して、それが審査基準を満たせば掲載されます。次に購買ニーズを持った別のユーザーのなかから買い手を募り、購入された場合、そこから手数料を徴収するかたちとなります。

そのためプラットフォーマーは、買い手や売り手となるユーザーの販売や購入規則を設け、ユーザーがほしいものを見つけやすい、かつ支払いやすい仕組みを整え、商品の配送後やサービス提供後の評価システムを手掛ける必要があります。

BtoB、BtoCとCtoCの違い

 

ctoc

BtoB、BtoC、CtoCでは「B」はBusinessで企業、「C」はConsumerで個人の一般消費者を意味します。誰と誰の間で、モノやサービスが取引されるかを端的に表現した用語です。つまり企業間の取引はBtoB、企業と一般消費者の取引はBtoC、一般消費者間の取引はCtoCとなります。

BtoCなのかCtoCなのかは取引の主体によって変わります。例えば同じ家事代行だとしても、企業に従業員として登録している人がサービスを提供する場合はBtoC、シェアリングエコノミー系サービスのプラットフォームに登録している個人がサービスを提供する場合はCtoCとなります。

CtoCのビジネスモデルはフリーマーケットなどのように昔からあったものですが、スマートフォンの普及によって個人が常にインターネットに繋がっている状態が一般化したために、オンラインでのCtoCのサービスが急速に普及しました。

 

2. CtoCの市場規模

経済産業省が2017年に発表した「電子商取引に関する市場調査」では、2016年における個人間取引における市場規模は3,458億円にのぼる結果になりました。これはヤフオク!などのネットオークションの規模全体が10,849億円ということを考えると、その三分の一以上にあたりCtoC市場は大きいといえます。

またそのなかでも、フリマアプリは3,052億円の市場規模を記録し、同市場をけん引しているといっても過言ではありません。

国内最初のフリマアプリは2012年7月に「Frill」が始まり、ハンドメイド商品のフリマアプリとして有名な「minne」が同年10月にサービス開始。2013年の下半期にスマートフォンの普及に合わせて、大手フリマアプリ「メルカリ」が立ち上がりました。

その後は続々とジャンル別のプラットフォームが姿を現しています。CtoCに慣れたユーザーのなかには、服を買うならあのサイト、小物や雑貨を買うならこのサイト、という使い分けがされていることは十分に考えられます。

参考:急成長遂げるフリマアプリまとめ”巨大中古市場”の実態に迫る

TED talk

3. CtoCにまつわる重要用語

CtoCのビジネスモデルをより深く理解するために知っておきたい用語を紹介します。

重要用語1:相互評価システム

相互評価システムは、サービスの提供側とサービスの受取側の両者が、利用後にお互いに評価し合い、のちの利用に役立てていくシステムです。評価項目や方法は、サービスやプラットフォームによって異なります。

シェアリングエコノミーサービスでは名前も分からない人同士をマッチングさせることになるため、取引相手を判断する基準として相互評価システムが非常に重要です。過去の取引で多くの良い評価を得ているユーザーは信頼性が高いため、ほかのユーザーが取引を検討する際、選択されやすくなります。

シェアリングエコノミーの不正利用を防ぐことは簡単ではありませんが、ヤフオク!などにも見られるように、提供側・受取側のどちらも評価の低い利用者は取引相手として選ばれなくなっていきます。安心して取引できる人たちだけをプラットフォームに残していくために、相互評価システムが採用されるのです。

たとえばライドシェアの先駆者であるUberでは、サービス提供するドライバーと乗車されるユーザー両者が互いに5つ星満点で評価をつけます。ユーザーは星の数でドライバーが安全かを判断してサービスを受けられ、一方のドライバーは場合によってユーザーの乗車を断ることも可能です。そういったモノやサービスを利用するまでの心理的な障壁を少なくする努力がプラットフォーマーには求められます。

参考:ライドシェアリングサービスUberのビジネスモデルまとめ

重要用語2:エスクロー方式

エスクロー方式とは、今多くのCtoCのサービスプラットフォームが採用している料金や代金の支払いシステムです。エスクロー方式では取引の提供側や受取側ではない第三者機関が支払い代金を一旦預かり、モノやサービスの提供が問題なく成立した場合にお金を支払う方式です。

取引に関わるお金がプラットフォームに一旦プールされる形になるので、「代金を支払ったのにサービス提供を受けられなかった」「品物を郵送したのに代金が振り込まれない」といったトラブルを回避できます。

安心。安全な個人間取引を実現させるために欠かせないシステムとなっています。

 4. CtoCサービスのメリットとデメリット

買い手と売り手にとってのメリット・デメリット

●メリット

先述したとおり安く、早くモノやサービスが手に入ること(また、販売すること)は大きなメリットです。またそれらに加えて、民泊のAirbnbやライドシェアのnottecoなどシェアリングエコノミー領域のサービスには、その場所その土地でしか味わえない文化的価値や、マッチングした人同士の出会いや交流など、単なるモノやサービスの取引を超えた付加価値が存在します。

参考:

Uber、Airbnbから学ぶ、シェアリングエコノミーのビジネス戦略

国内最大手ライドシェアリングサービス「notteco」インタビュー

●デメリット

CtoCのなかでも特にネットオークションでは、プラットフォーマーが一定のルールを規定しているものの、トラブル発生時の責任を負うことはしないため個人間のモラルに委ねているケースも多いです。それに付随して、評価システムがあるプラットフォームでは信頼が得られるまでに、買い手から取引相手として選ばれず取引が成立しづらいことも挙げられます。

また決済方法にも注意する必要があります。売り手が「買い手からの入金を確認してから発送する」というステップには、モノやサービスをもらえる保証が必ずしもありません。そのため、大手ネットオークション「ヤフオク!」では自社の「Yahoo!ネットバンキング」をつうじて、プラットフォーマーが間に入り先に代金を預かって、売り手の発送と買い手の報告を受けてから取引を成立させる「エスクロー方式」を採用しています。

プラットフォーマーにとってのメリット・デメリット

●メリット

プラットフォーマー側がサービスを自ら提供することは基本的にないため、在庫を持つ必要がなく、個人間の取引が円滑いくようサイトやアプリを改善することに注力できます。

●デメリット

サービス開始時にはプラットフォームを利用してくれる買い手も売り手がいないため、まずはユーザーを増やしていく必要がありコストがかかります。市場のジャンルによっては潜在利用者の啓蒙から始める必要があります。

「知らない人は危険」という偏見は 適切なデザインによって 克服できるはずだという望みに 私たちは会社の命運を賭けました 私たちが分かっていなかったのは この偏見を捨てる 用意のできている人が どれほど沢山いるか ということです

引用:

https://www.ted.com/talks/joe_gebbia_how_airbnb_designs_for_trust/transcript?language=ja

 

今では世界規模で民泊文化を席捲しているAirbnbですが、同社創始者のジョー・ゲビア氏も、始めて間もなくは世間の意識改革から着手していたといえます。

また、デメリットというより事業リスクといえますが、法規制の状況によって突然サービスを大きく変更する必要に駆られる可能性もあります。民泊やライドシェアの領域は、現在も法整備が進行中であり、その内容によってサービス提供が阻害されたり、縮小せざるをえない状況に追い込まれたりするかもしれません。

ただし、国全体としてもシェアリングエコノミーを活用していく方向性ではあるので、社会的価値があるサービスを提供しつつ法令遵守を心がけていれば、長期的にみれば大きなデメリットにはならないはずです。

 

5. まとめ

いかがでしたでしたか。スマートフォンの普及以降、フリマアプリが中心となってCtoC市場が日本でも拡大傾向にあると分かったと思います。

BtoCとくらべ、CtoC(個人間取引)にはユーザー間の信頼関係の構築や、モノやサービスの質の担保に課題があるといえます。そのため評価やマッチング、保証の制度にプラットフォーマーは引き続き向き合っていく必要があるといえます。

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