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乗り捨て型の自転車シェアリングサービスは、事前に登録すると分単位で無人ステーションから自転車をレンタルすることが可能です。ICカードやクレジットカードで簡単に決済することができ、首都圏や地方で、観光客や地元民、通勤通学の公共交通機関として活躍しています。

目次

1.レンタサイクルと自転車シェアリングの違い

2.自転車シェアリングの市場規模と歴史

市場規模について

自転車シェアリングの歴史

3.海外の自転車シェアリング事例

①フランス・パリ「Velib」

②アメリカ・ニューヨーク「Citi Bike」

③カナダ・モントリオール「BIXI」

④デンマーク・コペンハーゲン「Bycyklen」

⑤台湾「YouBike」

4.国内の自転車シェアリング事例

①NTTドコモ

②HELLO CYCLING

③まちのり(金沢)

④川越自転車シェアリング

5.今後の課題

6.まとめ

 1.レンタサイクルと自転車シェリングの違い

まずレンタサイクルと自転車シェアリングの違いとはなんでしょうか?

一言で言うと、「複数の駐輪場(ステーションやサイクルポートとも呼ばれる)で乗り捨てできるかどうか」です。

レンタサイクルは鉄道の駅等に隣接された拠点で乗り降りをします。借りた場所に返却するという往復型のシステムです。一方、自転車シェアリングは一定区域内にある複数のステーションのどこからでも乗ることができ、借り場所ではなく最寄りのステーションに返却することが可能で、利用者の回遊性を高めるのです。

Webや携帯で事前登録するだけでいつでも利用できる利便さもあり、観光だけではなく通勤やちょっとした買い物やお出かけにも使い勝手の良いシステムです。GPSで管理された自転車の使用料金はオンラインで決済することができます。IoT化が進み、より便利で簡単な利用方法が提供されています。

日本では、環境に優しい移動手段として、自転車シェアリングの導入が地方自治体ごとに始まっています。導入の目的としては交通機関が十分でないエリアでは、公共交通機関の補完として期待されており、他にも、観光戦略や地方活性化を意図した自治体も増えています。東京都も都市インフラとして、文京区、千代田区、中央区、港区、江東区、新宿区で広域実験が始まりました。東京都内では、6区内で215ポート(1月17日現在)が設置されました。

 

 

2.自転車シェアリングの市場規模と歴史

市場規模について

日本国内での自転車シェアリングの整備は公共団体、民間事業者、行政などが、70都市以上で、自転車シェアリングを運営しています。収益は自転車の利用代のほか、広告料があり、観光促進、地方活性化に一役買っています。

自転車シェアリングは利用者、提供者の双方にとってメリットを共有できるシェアリングエコノミーサービスと言えます。

公共交通機関よりも安い金額から同程度の料金体系で、ちょっとした買い物や、通勤・通学手段、健康作りに利用できます。一方、提供者は収益が上げられるだけではありません。ステーションには人を配置する必要がなく、人件費がかかりません。利用者が事前に登録や決済するので、窓口を設置して、申し込み手続きや支払いなどのランニングコストがかかりません。そして地方自治体は観光促進の手段として期待しています。地方に行くほど、公共交通機関のカバー範囲は狭くなってしまいます。タクシーでお金をかけるほどの移動ではない、レンタカーを借りるほどの距離ではない、そういった交通事情を解決してくれる自転車シェアリングを導入することで、観光客がいつでもどこでも気軽に移動することができます。

 

自転車シェアリングの歴史

初期の自転車シェアリングの導入は、 いくつかの理由で難航していました。

自転車シェアリングの歴史は1960年代の自転車大国のオランダにさかのぼります。オランダで導入された自転車シェアリングは盗難や破壊などが原因で運用停止になりました。

しかし近年は IT技術の活用でリスクを減らした仕組みができました。まずはGPSで自転車を管理することが可能です。利用者は事前に身分登録やデポジットを支払います。また、転売や解体が不可能な特別モデルを発注することで、盗難や破壊を防ぐことができます。さらに保守運用が最低限で済むモデルの導入より、より長く使えてメンテナンスが少なくて済むシステムになりました。

ITの活用や新しい自転車の導入で継続的に運用できるビジネスモデルになり、IDカードや携帯電話、アプリを使うことで利用者にとっても使い勝手の良いシステムになりました。

 

3.海外の自転車シェアリング事例

日本は世界的に見ても、まだまだ自転車シェアリング後進国です。他国のケースを見てましょう。

➀フランス・パリ「Velib」

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http://en.velib.paris.fr

2007年にスタートしたVelibは、パリ市内に2万箇所以上のステーションが設置されています。

ステーションは、1,700台以上あり、自転車の台数23,000台以上用意されています。

利用料金:登録料1日1.7ユーロ 7日で8ユーロ 使用開始から最初の30分は無料 30分ごとに1ユーロずつ

 

②アメリカ・ニューヨーク「Citi Bike」

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https://www.citibikenyc.com

2013年にスタートした、Citi Bikeは、シティバンクがメインサポンサーになっています。600以上のステーションがニューヨークに設置されています。

16歳以上、パス購入は18歳以上

利用料金:年間パス163米ドル、24時間パス 12米ドル、72時間パス 24米ドル

追加チャージ:15分毎の超過につき 4米ドル

紛失盗難は、1200米ドル、別途保証金 101米ドル

1回の利用が30分以内は無料で、何度でも利用可能です。

 

③カナダ・モントリオール「BIXI」

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https://montreal.bixi.com/

BIXIは、2009年4月にスタートし、市内300箇所にステーションがあります。

短期旅行者、ビジネストリップ、モントリオール在住者向けの様々な料金プランがあり、仲間とメンバーシップをシェアすることができます。

利用料金:年間パスは89カナダドル、30分以内は、2.95カナダドル、24時間は、5カナダドル、3日間は、14カナダドル

 

④デンマーク・コペンハーゲン「Bycyklen」

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https://bycyklen.dk/en/

主要な道路にはたいてい自転車専用レーンがついているコペンハーゲンのBycyklenは、一台一台に端末がついています。この端末から、目的地や使用料金を見られるだけでなく、観光情報、アクセスも閲覧が可能です。GPSがついているため、目的地までの所要時間や距離、近くの観光施設を検索することができます。

利用料金:1時間30クローネ、1か月70クローネ、10時間300クローネ、20時間500クローネ、デポジット200クローネ

 

⑤台湾「YouBike」

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https://www.youbike.com.tw

台湾の自転車メーカー GIANT会社と台北市政府交通局が2009年から提携し運営しています。

1日1台あたり、9~10名ほどが利用しており、約7000台以上の自転車が設備されています。

利用料金:30分は5元、4時間までは30分ごとに10元、4~8時間は30分ごとに20元、8時間以上は30分ごとに40元

 

4.国内の自転車シェアリング事例

➀NTTドコモ

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https://docomo-cycle.jp/tokyo-project/

国内では、NTTドコモが自治体と社会実験を実施しています。

自転車1台ごとにGPS機能を持つ端末が付いており、決済は、クレジットカードや、SuicaやPASMOなどのICカード、FeliCaカードが使えます。一部を除き24時間営業で、年中無休で稼働しています。

法人向けの料金プランも用意されており、通勤や買出し、外回りに活用されています。

2017年1月からは、自転車シェアリング広域実験として、東京都内6区(千代田区、中央区、港区、新宿区、文京区、江東区)で展開されている、すべてのステーションで貸出・返却することが可能となりました。

通常なら、地方自治体や企業ごとに運営されており、新宿区内で乗り始めたら、返却も新宿区内となっていましたが、自治体を横断して、自転車を利用することができるようになりました。

 

②HELLO CYCLING

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https://www.hellocycling.jp

ソフトバンクも2011年に自転車シェアリング事業に本腰を入れ始めました。

ソフトバンクが提供する、HELLO CYCLINGと他のサービスの違いは、GPSと通信機能を搭載したスマートロックと呼ばれる専用の鍵と、液晶操作パネルを自転車に取り付けるだけで、運用が開始できる点です。ソフトバンクが開発した鍵やソフトを利用するため、新しく自転車を購入・用意する必要がありません。

放置・放棄自転車の再利用ができ、少量の規模で実施するのであれば自治体や企業にとっては始めやすいサービスとなるでしょう。

 

③まちのり(金沢)

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http://www.machi-nori.jp

石川県金沢市の自転車シェアリングサービスのまちのりは、地方活性化に一役買っています。

金沢市内の主要のホテルに連携窓口が設置されており、そこから申し込み手続きをすることができます。自転車シェアリングを知らない観光客への宣伝、誘導することができます。

さらにまちのりクーポンを発行しています。ステーションから紙のクーポンを発行するか、Web経由でクーポンを表示することで、お得に市内観光や買い物を楽しむことができます。

飲食店だけではなく陶芸教室などの体験施設もあり、自転車で回遊しながら観光を楽しむことができます。そしてベビのりというベビーカーのシェアリングサービスも同時に展開しています。

 

③川越自転車シェアリング

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http://www.city.kawagoe.saitama.jp/kurashi/kotsudorokasen/jitensha_churinjo/sharing.html

川越市が提供する川越自転車シェアリングは、商業施設、病院、市役所、観光施設にステーションが設置されています。それぞれ10台から25台ほどが用意されており、市民の足としても活躍しています。

ICカードやクレジットカードが使えるのはもちろんですが、現金でも利用が可能です。電子マネーを持たない方やWebが使いこなせない方でも使えるように、シンプルな現金支払いができるのです。

また「川越で遊ぼう」というスマートフォン向けアプリを使うことで、街のおすすめやグルメ情報、現在地のルート確認をすることができます。

 

  5.今後の課題

IoT化やキャッシュレス決済も追い風となり、自転車シェアリングの普及エリア、ステーション、自転車が増えています。しかし安全面、法律など今後の課題についても考えなければなりません。

日本では自転車は子供からお年寄りが乗ることができます。しかし国によっては自転車に乗れる年齢が決まっており、中国では16歳未満は自転車を利用することができません。こういった法律を遵守するために、自転車シェアリングサービスは利用前にWebやスマートフォンで利用者登録することで、スクリーニングをしています。

また安全面での配慮も求められます。

交通事故に巻き込まれるだけではなく、自転車が交通事故を起こしてしまう場合もあります。自転車は免許なく誰でも乗ることができため、利用者は安全を守る交通マナーを求められます。世界各地で提供されている自転車はヘルメット、反射板が付いており、前輪・後輪にブレーキが設置されています。また自転車専用レーンが主要都市やメインエリアに設置されている国も多数あります。

さらに、ステーションの設置場所も肝になります。商業施設や、公共交通機関との連携も求められるでしょう。自転車ステーションにたどり着くまでには、最寄りに公共交通機関があればとても便利です。公共交通機関が通らない場所へ行く際に、自転車を利用し、返却する際も、最寄りの公共交通機関があれば、回遊性も高まりますし、行動範囲が格段に広がります。

 

6.まとめ

ちょっとした移動に便利な自転車シェアリングは、提供地域によっては交通渋滞の解消、観光回遊性向上、収益源など、両者に取ってメリットがあり、さらに環境に優しく健康にも良いという側面もあります。誰でも使える自転車は、観光客にも、地元民にも大活躍です。

今後もIoT化が進みシェアリングエコノミーが定着すれば、自転車シェアリングの対応地域もますます広がることでしょう。

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